Office Server Document Converter 機能紹介:V12.0の新機能と変更点
Office Server Document Converter V12.0 で強化された機能についてご紹介します。
新機能
PDF/X-1a、PDF/X-3、PDF/X-4、PDF/X-4p 出力に対応
PDF/Xは、ISO 15930 で規定されており、印刷用のデータ交換を目的としたPDFのサブセットです。
作成するPDFのバージョンを指定するパラメータと値。(例:PDF/X-1a)
- -pdfver PDF/X-1a:2001
PDF/Xの特徴(PDF/X-1a~4p)
| PDF/X-1a | PDF/X-3 | PDF/X-4 | PDF/X-4p | |
|---|---|---|---|---|
| フォントはすべて埋め込まれなければならない | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 出力インテントが指定されていなければならない | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 出力インテントとして指定されたICCプロファイルを埋め込まなければならない | × | × | ○ | × |
| CMYK、スポットカラーをサポートする | ○ | ○ | ○ | ○ |
| グレイスケールをサポートする | ○ | ○ | ○ | ○ |
| RGBをサポートする | × | ○ | ○ | ○ |
| 透明をサポートする | × | × | ○ | ○ |
| パスワードの設定や、印刷制限、変更制限などを行ってよい | × | × | × | × |
| リンクや注釈などを含めてよい | × | × | × | × |
| しおり等のアクションを含む要素を含めてよい | × | × | × | × |
出力インテント、ICCプロファイルの指定や埋め込むオプション
PDF/X では、出力インテントが指定されていなければなりません。PDF/X-4 を出力するときは ICCプロファイルの埋め込みが必須です。出力インテントやICCの埋め込みは次のパラメータ、オプション設定ファイルの属性で指定します。
- パラメータ
-
「-pdfprofile」:指定するICCプロファイルをフルパスで指定します。
指定例
-pdfprofile C:\Windows\System32\spool\drivers\color\JapanColor2001Coated.icc
-
- オプション設定ファイル
-
「default-output-intent」:出力インテントを指定します。
出力インテントとしてICCプロファイルを直接指定する方法と、出力条件識別子も指定する方法があります。
▽ ICCプロファイルを直接指定する例
<?xml version="1.0"?> <formatter-config> <pdf-settings> <default-output-intent="url('file:///C:\Windows\System32\spool\drivers\color\JapanColor2001Coated.icc')"> </pdf-settings> </formatter-config>▽ ICCプロファイルと出力識別子も指定する例
<?xml version="1.0"?> <formatter-config> <pdf-settings> <default-output-intent="url('file:///C:\Windows\System32\spool\drivers\color\JapanColor2001Coated.icc#OutputConditionIdentifier=JC200103')> </pdf-settings> </formatter-config>
-
「embed-std-output-intent」:PDF/XにICCプロファイルを埋め込むかを指定します。
設定の既定値は"false"で埋め込みません。"true"指定で埋め込む場合は、ICCプロファイルの実ファイルを指定する必要があります。PDF/X-4 出力ではICCプロファイルの埋め込みは必須のため、この指定は無効となります。
-
「3-D効果」を付与した図形、文字の出力に対応
Word(docx)、Excel(xlsx)、PowerPoint(pptx)の図形、文字に付与された「3D-効果」の立体感や奥行の変換・再現に対応しました。Office文書が持つ立体表現を活かすことができ、企画書のタイトル文字や立体的な図形パーツまで、制作者の意図したビジュアルを維持したスムーズな連携・活用を実現します。
サポートする「3D-効果」は以下の通りです。
- 3D-書式
- 奥行
- 光源
- 3D-回転
- 標準スタイル
- X/Y/Z方向に回転
- 透視投影
- テキストを立体表示しない
- 底面からの距離
Word(docx)、Excel(xlsx)、PowerPoint(pptx)の図形、文字に付与した3D効果の出力に対応しました。
OSDC V12.0 と OSDC V11.1 の「3D-効果」付与ファイルの変換結果の比較
PowerPoint(pptx)で「3D-効果」を付与したファイルをOSDC V12.0 と OSDC V11.1で変換した際の違いは次のとおりです。
制限事項
- [3D-書式]-[光源]は角度の指定のみ対応しています。
- [3D-回転]-[テキストを立体表示しない]を指定した場合は、テキストに対する効果は無効になります。
- 画像、図、アイコン、3Dモデル、グループ化されたシェイプに対しての「3D-効果」には対応していません。
- 文字の効果(影、光彩など)や図形の書式設定(パターン、グラデーションなど)の一部表現との組み合わせには対応していません。
BMP画像形式への出力に対応
V11.1 までに対応していた PNG、JPEG、TIFF に加え画像形式として BMP 出力に対応しました。
コマンドラインのパラメータ
- -p @BMP
Word(docx)からの変換を強化
行番号の出力対応、表罫線の接合部の改善などしました。
行番号の出力対応
連続番号、ページ・セクションごとの振りなしなど行番号の各設定、段組みなどの複雑なレイアウトでも行番号を維持した出力に対応しました。行番号はパラメータ「-docnonlinenumber」を指定することで出力させないことも可能です。
表罫線の接合部の表示を改善
表を構成する二重、三重罫線の接合部の表示を改善しました。
「-docpagenumbercorrection」を制御するオプションを追加
パラメータ「-docpagenumbercorrection」は目次、総ページ数を調整し書き換えるため目次などがないデータでも2回変換を行います。目次、総ページ数がないデータについて、2回目の変換を行わないオプション「conditional-2nd-pass」を追加しました。
-
「conditional-2nd-pass」:「-docpagenumbercorrection」による2回目の変換が必要かを判定します。
設定の既定値は"false"で従来通り必ず2回変換を行います。"true"のときは2回目の変換が不要と判断したファイルについては2回目の変換を行いません。※2回変換を行う場合は、"true"の方が僅かに処理時間が多くかかる場合があります。
Excel(xlsx)からの変換を強化
フォームコントロールの対応を強化、外部ハイパーリンクに対応しました。
フォームコントロールの対応を強化
フォームコントロールの対応を強化し、V12.0 では、[チェックボックス]と[コンボボックス]に加え、[ボタン]、[スピンボタン]、[リストボックス]、[オプションボタン]、[グループボックス]、[ラベル]、[スクロールバー]の表示に対応しました。
なお、文字の方向、修飾などExcelによる表示と異なる場合があります。
- Excel(xlsx)で作成したファイルと OSDC V12.0 と OSDC V11.1 の変換結果の比較
外部ハイパーリンクに対応
ハイパーリンクとして挿入可能な外部リンクのWebサイト(URL)、別のファイル・フォルダ、メールアドレスへのリンクに対応しました。
テキストからの変換を強化
エンコーディングを指定するオプションの追加、BOM判定の改善をしました。
優先して判別するエンコーディングを指定するオプションを追加
テキストファイルからの変換ではエンコーディングを自動判別しますが、想定する判別が行われず文字化けなど発生する場合があります。そのような場合に、優先して判別するエンコーディングを指定できるオプション「preferred-encoding」を追加しました。
- 「preferred-encoding」:優先して判別するエンコーディングとして、"UTF-8"または"Shift_JIS"を指定します。デフォルトは、自動判定です。
- 以下は、オプション設定ファイルの例になります。
<?xml version="1.0"?>
<formatter-config>
<dfv-settings>
<preferred-encoding="Shift_JIS">
</dfv-settings>
</formatter-config>
BOMを最優先で判定するよう改善
BOM付きのテキストファイルの場合、変換時にBOMが最優先で判定されるよう改善しました。
EMF+ の描画に対応
これまでのEMF形式のサポートに加えて、新しく EMF+(Enhanced Metafile Format Plus)の描画にも対応しました。
制限事項
- テキストの塗りつぶしが単色以外の場合はレンダリングされません。
- 図形のグラデーションは放射または四角のみに対応しています。
- 画像のタイリングは対応していません。
パラメータ、オプション設定の追加
以下のパラメータ、オプション設定を追加しました。
- ページを逆順に出力するパラメータ「-prevp」を追加
- PDFへ出力する透明を非透明に変換するかどうか指定するオプション「transparency」を追加
- PDFを暗号化するとき、メタデータも暗号化するかどうか指定するオプション「encrypt-metadata」とパラメータ「-nemd」を追加
- PDF/A、PDF/Xに不適合な状態でも処理を続行するかどうか指定するオプション「error-on-pdfx-fault」を追加
変更点
動作環境
.NETインターフェイスを.NET 8 から.NET 10 に変更
- Windows版
- .NET 10
- Microsoft .NET Framework 4.8.x
- Linux版
- .NET 10
Amazon Linux 2023 Graviton2版には .NETインターフェイスは用意されていません。
Linux版、Amazon Linux 2023 Graviton2版の GCC を GCC 14 に変更
Linux版は、GCC 14 でビルドされています。動作には、glibc-2.38, libstdc++6.0.32以上で、これらとバイナリ互換性があるライブラリが必要です。
Amazon Linux 2023 Graviton2版は、GCC 14 でビルドされています。動作には、glibc-2.34, libstdc++6.0.32以上で、これらとバイナリ互換性があるライブラリが必要です。
仕様の変更
PDF/A でPDFのバージョンを指定できるよう仕様を変更
PDF/A-2a、PDF/A-2b、PDF/A-2u、PDF/A-3a、PDF/A-3b、PDF/A-3u に対して PDF1.4~PDF1.7 のバージョン制御ができるよう仕様を変更しました。
透かしの不透明度を指定するオプションの仕様を変更
透かしの不透明度を指定するオプション「watermark-opacity」とパラメータ「-wmarkopacity」の動作を次のように変更しました。
- V11.1まで:値の範囲は0.0~1.0(1.0が不透明)。0.0は無効で、0.0を指定した場合の値はデフォルト値である0.2になります。
- V12.0以降:0%~100%、または0~1の値を指定できます。100%または 1 は不透明です。0 は無効で、不透明度の変更はしません。
既存バージョンの機能
V12.0 以前のバージョンで新たに実装された機能に関しては、以下のページをご確認ください。
