特許HTML作成用オプション利用法
Wordで作成した特許庁への申請書類を『HTML on Word』を使って特許HTML形式にできます。V1.2MR2以降では、特許HTML作成がより簡単にできるように変換オプション機能が強化されています。本記事では、関連する変換オプションの概要と実際の使い方を紹介します。
特許HTML用の主な変換オプション設定
(1)文字コード
特許HTMLは文字コードとしてShift_JISを選択する必要があります。『HTML on Word』で作成するHTMLの文字コードをShift_JISにするにはコマンドラインで次のパラメータを指定してください:
-encoding Shift_JIS
(2)特許HTMLに適合するタグ出力オプション
①『HTML on Word』はHTML全体のデフォルトCSSを設定するために、<head>に<style>タグを出力します。しかし、このタグは特許HTMLでは不適切なので、出力しないようにします。このためにコマンドラインで次のパラメータを指定してください:
-defstyle
②『HTML on Word』のデフォルトでは文字のアンダーラインを無視します。アンダーラインを付けた文字列を<u>タグで囲みたいときは、コマンドラインで次のパラメータを指定してください:
-underline t
(3)段落の区切りを<br>タグで出力するとき
特許明細作成支援ツールには、<br>タグを段落の区切として、段落番号を自動的に付与する機能をもつものがあります。段落を<p>タグで囲う代わり<br>タグで段落を区切るには、コマンドラインで次のパラメータを指定してください:
-outputbr
(4)画像ファイルのフォルダー名を変換先HTML毎に変更
画像ファイルを保存するフォルダー名をHTMLファイル別に変更するには次のパラメータを指定します:
-fileimages
特許HTML作成用の便利機能
特許HTMLで段落の字下げをするときには段落の先頭に全角空白を入力しなければなりません。これに対してWordの段落ダイアログで段落の(最初の行の)字下げ(次図赤枠部分)を設定すると、Word文書には段落先頭インデントが適用されます。
段落の字下げを設定して作成したWord文書を、特許HTMLに変換するための便利機能として、段落先頭インデントを全角空白に置換するオプションを追加しました。これを有効にするにはコマンドラインから次のパラメータを指定してください:
-spaceindent
特許HTML用の変換オプション設定をデフォルト設定とする
本記事で紹介した変換オプションのパラメータ値はいずれもデフォルトではないため、コマンドラインを起動する度に指定する必要があります。毎回の指定を省略するには変換オプションのパラメータ値をデフォルト設定ファイルに保存しておきます。
(1)デフォルト設定ファイルの作り方
デフォルト設定ファイルを作成するにはコマンドラインのパラメータから次のパラメータを指定します:
-savedefault
すると、Roamingフォルダー(アプリケーションデータを保存するフォルダー)にデフォルト設定ファイルが作成されます。次は、本記事で紹介した変換パラメータを有効にするデフォルト設定ファイルを作成するコマンドの例です。
※“-clrsettings”オプションを指定してデフォルト設定を一旦初期値にしています。
Word2HTML -clrsettings -encoding Shift_JIS -defstyle -underline t -outputbr -fileimages -spaceindent -savedefault
(2)デフォルト設定ファイルの保存場所と内容
上の例では、Roamingフォルダーにデフォルト設定ファイルが作成されます。ファイルのパスは次のようになります。(V2.0の場合)
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\AntennaHouse\xhw\2.0\def-settings.xml
上の例で指定した変換オプションの項目とパラメータの値は、デフォルト設定ファイルには次のように保存されています。
<?xmlversion="1.0"?>
<word-to-html-settings>
<output-brenable="true"/>
<style-tagenable="false"/>
<space-indentenable="true"/>
<fil-imagesenable="true"/>
<underlineout="t"/>
<encodingencoding="Shift_JIS"/>
</word-to-html-settings>
(注)指定した項目以外の変換オプションは省略しています。
デフォルト設定ファイルはXML形式なのでテキストエディタで作成することもできます。なお、テキストエディタで作成した場合、ファイル名をdef-settings.xml、文字コードをUTF-8としてください。デフォルト設定ファイルの保存箇所はWord2HTMLのEXEをインストールしたフォルダーもしくはRoamingフォルダーです。
注意
変換オプションのパラメータが真または偽の二値を取る場合、二重に設定すると値が反転するので注意してください。例えばデフォルト設置ファイルに<style-tag enable="true"/>が設定されている状態で、コマンドラインで-defstyleパラメータを指定して実行すると<style-tag enable="false"/>として扱われます。
このため、コマンドラインで-savedefaultを指定するときは、Roaming フォルダーのdef-settings.xmlを削除してから実行することをお勧めします。
あるいは、コマンドラインで-savedefaultを指定するとき、初めに-clrsettingsを指定して、既存の設定を一旦初期値にします。