■AIエージェントを用いたコーディングの実施

本項ではAIエージェントの『Cursor』を用いたコーディングを実行するために必要な準備を解説します。
具体的には、実行前に必要な準備、及びプロンプト実行の手順について解説します。
なお、本例ではWindows環境における解説です。Linux環境の場合は適宜読み替えて利用してください。

解説はそれぞれ以下の項目に分かれています。
そのうち〔手順0〕は初回のみ必要であり、〔手順1〕はプログラム作成時に毎回必要な手順です。

〔手順0〕コーディング準備

本項は、コーディング準備として、『Cursor』そのものの導入についての解説と、『Cursor』起動後の下準備に分けて解説をします。

〔手順0-1. 『Cursor』のインストール・準備〕

0-1-1. 『Cursor』のダウンロード・インストール

以下のURLから、『Cursor』をダウンロードし、インストールします。

https://cursor.com/ja/product

0-1-2. 必要な『VisualStudio Code(VSCode)』拡張の『Cursor』へのインストール

『Cursor』を起動し、以下の『VSCode』拡張をインストールします。
必要であればその他の『VSCode』拡張もインストールします。

  • Japanese Language Pack for Visual Studio Code(『VSCode』の日本語拡張)
  • Extension Pack for Java(『VSCode』用Java言語サポート)

画面配置や拡張などを含め、『Cursor』の内部構造はオープンソースのエディタ『VSCode』と同一です。これ以降の『Cursor』の基本的な操作方法は『VSCode』に準じます。

〔手順0-2. 下準備:プロジェクトフォルダ作成と環境作成〕

0-2-1. プロジェクト用のフォルダ作成

『Cursor』エディタを開き、プロジェクト用のフォルダを作成します。
例えば、以下の操作例に従うと、プロジェクト用フォルダが作成されます。

【操作例】
  1. 『Cursor』エディタを開きます
  2. 『Cursor』エディタのコマンドパレットに以下コマンドを入力します

>Java Create Java Project

  1. プロジェクトの形態選択ダイアログが出るので、「No Build Tools」を選択します
  2. 配置位置指定のダイアログウィンドウが開くので、プロジェクト用フォルダの配置位置を決めます

具体例:
「C:\」を指定する

5. コマンドパレットでプロジェクト用フォルダの名前を決めます

具体例:
「CursorProject」をプロジェクト名に決定する

6. これで、「C:\CursorProject」にプロジェクト用フォルダが生成されます

0-2-2. 必要ライブラリのクラスパスを通す

プロジェクトの外部ライブラリとして『PDF Tool API』の[PdfTkJava80.jar]へのクラスパスを通します。
具体的には以下の手順で操作します。

【操作例】

1. コマンドパレットに以下コマンドを入力して、Javaのプロジェクトセッティングを開きます

>Java: Open Project Settings

  1. プロジェクトタブで「CursorProject」を選択します
  2. 「Classpath」タブを選び、その中にある「Libraries」タブを開きます
  3. 「+ Add Library...」をクリックし、インストール先にある[PdfTkJava80.jar]を選択します
    →「Libraries」タブにjarファイルの配置パスが加わります

デフォルト配置でインストールされていた場合に追加されるパス:
C:\AHPDFToolLib_80\bin\PdfTkJava80.jar

5. 画面下部にある「Apply Settings」をクリックし、変更を反映します

0-2-3. サンプルコードの配置

プロジェクト用フォルダに、『PDF CookBook』のサンプルコードと、『PDF Tool API』同梱のサンプルコードをそれぞれ配置します。
プロジェクトフォルダ内のソース用フォルダ「src」がプロジェクト作成時に生成されています。ここにサンプルコードを配置します。具体的には以下の手順で操作します。この手順の順序は自由です。

【操作例】
  1. フォルダ生成時に配置された「App.java」は削除します
  2. Tool API同梱サンプルコードを「C:\CursorProject\src\java」フォルダとして配置します
  3. PDF CookBookのサンプルコードを「C:\CursorProject\src\cookbook」フォルダとして配置します
  4. 生成したプログラムを配置するためのフォルダを新規作成します。
    具体例:
    「C:\CursorProject\src」フォルダの直下に「JavaPrograms」フォルダを作成する

〔手順1〕AIエージェントによるコーディング

本項ではプロンプトによるコード生成と生成されたコードの実行を解説します。

〔手順1-1. プロンプトを指示してコードを生成させる〕

1-1-1. プロンプトの実行・コード生成

『Cursor』のプロンプト入力画面にコード生成用のプロンプトを打ち込み、実行します。
具体的な操作例は後述します。

[注意点]
  • Webマニュアルの参照時など、閲覧許可申請([Fetch])のダイアログが出てきたら、適宜許可してください
  • APIの動作で正常なコードが出力されないようであれば、API情報の説明として〔〔※付録2〕API情報の補足プロンプト〕も追加します
【操作例】

1. プロンプトを書く」で作成したプロンプトを実行します。
具体的には以下のテキストを打ち込みます。

『PDF Tool API』 (import jp.co.antenna.ptl.*;)を使った、「PDF を開く → 保存する」だけの最小構成の Java コード「OpenAndClose.java」を書いてください。
・生成したプログラムは「\src\JavaPrograms\Sample」以下のディレクトリに配置してください

『PDF Tool API』の定義は以下の通りです。
・『PDF Tool API』のコードはC++で書かれており、Javaインターフェースはこれのラッパーです。
・「\src\java」にJavaのサンプルコードファイルがあります。
・「\src\cookbook」にはまた別のJavaのサンプルコードファイルがあります。
・Java用のAPIリファレンスは、https://www.antenna.co.jp/ptl/v80/v80-pta-manual/java/jp/co/antenna/ptl/package-summary.html を参照してください。

以下がプログラムの前提条件です:
・PDFを読み込む
・何も加工しなくてよい
・別名で保存するだけでよい
・『PDF Tool API』の正しいクラス名・メソッド名を使うこと
・必要なimportと初期化コードも含めること
・ライセンス確認処理は不要
・「package Sample;」でパッケージを定義すること
・『PDF Tool API』のimportに使うライブラリ名は、以下の形式で指定すること
 import jp.co.antenna.ptl.*;

2. 実行後、指定したフォルダにプログラムが生成されます。

1-1-2. 出力ファイルの確認

生成が正常に完了した場合、指定したフォルダにjavaファイルが出力されています。
該当フォルダを開いて内容を確認してください。

【操作例】

1. エクスプローラーで「C:\CursorProject\src\JavaPrograms\Sample」フォルダを開き、内容を確認してください。
[OpenAndClose.java]が出力されています。

〔手順1-2. 〕生成されたコードの実行

生成されたコードを各種プラットフォームに合わせた方法で実行し、動作試験をします。
本例では「〔手順1-1. プロンプトを指示してコードを生成させる〕」の具体例で生成したjavaファイルの実行を解説します。

注意点
  • プログラム実行時は生成したプログラムに合った引数を指定する必要があります
  • Javaプログラムを生成した場合、javaファイルの実行前にjavacコマンドでコンパイルが必要です

1-2-1. javaファイルの実行

今回生成したファイルはjavaファイルです。javaファイルをコンパイルした後、実行します。

【操作例】
  1. コマンドプロンプトを「C:\CursorProject\src>」で開きます
  2. 以下コマンドでjavaファイルをコンパイルします

javac .\Sample\OpenAndClose.java -encoding utf-8

3. 以下コマンドで、「OpenAndClose.java」を実行します。
「PDFを開いて名前を付けて保存する操作」が実行されます。

java Sample.OpenAndClose input.pdf output.pdf

4. 同じフォルダに[output.pdf]フォルダが生成されていたら成功です。