3–19 墨消し、修正テープの操作

「修正テープ」は、用紙PDF上の文字や画像などを覆って、出力したPDFを表示したときにそれらを見えなくする機能です。この機能には「修正テープ(墨消し)」(以下、この節では墨消しといいます)と、ただの「修正テープ」の2種類があります。両者には次の違いがあります。

墨消しと修正テープのコマンド指定方法や対象範囲の指定方法はほぼ同じです。そこで、以下では墨消しまたは修正テープとして一括で説明します。但し、PDFに出力した結果には上述の違いがあるので、使い分けに注意してください。

Mspng 墨消し処理のタイミング

「墨消し」はPDF出力のタイミングで処理され、出力したPDFでは墨消し指定した範囲が削除されます。編集情報ファイルではオブジェクトが設定されただけの状態なので、オブジェクトを削除すると元に戻ります。

3–19–1 墨消し・修正テープのコマンド指定方法

墨消しまたは修正テープを設定するには、次のいずれかの方法があります。

3–19–2 墨消し・修正テープの対象指定方法

墨消しまたは修正テープの対象となるテキストや画像、または領域を指定する方法には次の(1)~(3)の三とおりあります。

(1)「テキスト選択モード」で用紙PDFのテキストを選択して、墨消しまたは修正テープを貼る方法。複数の行を選択したときは、全部を囲む矩形領域に墨消しまたは修正テープが設定されます。

テキストを選択して墨消しをクリック

図3・62 テキストを選択して墨消しをクリック

(2)墨消しまたは修正テープのコマンドを選択してから、墨消しまたは修正テープの矩形範囲指定する方法。コマンドを選んでマウスを用紙PDF上に持って行くとマウスポインタが十字形になるのでマウスドラッグで範囲を選択してください。テキストの行とは無関係に任意の矩形範囲を指定できます。矩形範囲を指定する方法では、指定した範囲の下に隠れる画像・図形・テキストが削除されます。

範囲を選択して墨消しを設定

図3・63 範囲を選択して墨消しを設定

2種類の墨消しを設定した後、PDF出力すると、Adobe Readerでは図3・64 墨消しを設定したPDFを表示のように表示されます。

墨消しを設定したPDFを表示

図3・64 墨消しを設定したPDFを表示

(3)墨消しまたは修正テープのコマンドを選択するとマウスポインタが十字形になります。その状態で用紙PDFの上でクリックすると、周囲に枠がある場合には枠の範囲に墨消しまたは修正テープが設定されます。

3–19–3 墨消しまたは修正テープの色

墨消し箇所は黒塗りするのが一般的です。しかし本製品では、初期状態だと墨消しの色墨消しまたは修正テープの色はドラッグを開始した位置の色になります。その色を変更するには、墨消しまたは修正テープを選択した状態でリボン「書式」タブの背景グループにある「塗りつぶしの色」コマンド右側の▼をクリックしてカラーパレットを表示し、色を指定します。

修正テープの色を地の色と合わせたいときは、カラーパレットから「スポイト」をクリックしてください。マウスポインタがスポイト状になるので、修正テープに合った色の部分をクリックしてください。修正テープがクリックした場所と同じ色になります。

Mspng 修正テープのカラーと枠線

用紙PDFがCMYKなどの特殊なカラースペースに設定されていると、PDF出力で背景と同じ色を再現できない場合があります。

墨消しまたは修正テープに、枠線や斜線を付けることはできません。

墨消しまたは修正テープの選択、移動、サイズ変更、コピー&ペーストなどの操作については3–8 オブジェクトの作成、選択、移動など基本操作を参照してください。