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PDF Conference 2005 報告 |
更新日: 2005/9/30 |
PDF Conference2005は、2005年9月26日から27日の2日間、米国ワシントン・ドナルド・レーガン空港の近くのHilton Cristal Cityで開催された。主催者は、コンサルタントのCarl Youngである。Adobeなどによるゴールド・スポンサーシップがあるが、全体としてはユーザベースの会議と思われる。規模としては、主会議室としてボールルームを使い、分科会用に会議室を2部屋、および出展社用の1部屋からなる比較的小さな会議であった。参加人数は、200人程度だろうか。参加者はワシントンDCの近くということもあり、政府・軍関係者が目についた。
会議の内容については、主会議室ではAcrobat7の機能・使い方の紹介、Acrobat7を使う上での高度なテクニック、AdobeのAcrobatユーザグループへの参加呼び掛けなどAdobe主導の内容が多かった。といっても、Adobe以外のサードパーティの製品紹介もなされたし、コンサルタントからはAcrobat7の致命的なバグの紹介や注意事項の説明があるなど、Adobe一辺倒という訳でもなさそうだ。
PDFの応用は、ビジネス分野での応用と印刷用途での応用に分かれるが、分科会の構成もそのようになっていた。ビジネス・政府部門でのPDFという分科会では、PDFを中心に使った文書システム例、セクション508準拠に関する注意事項などの報告があり、印刷とクリエーティブアートのPDFという分科会では印刷にPDFを利用する上の注意事項やワークフローの紹介があった。
分科会の会場を覗いた限りでは、WorkingWords社(PitStop社製品の米国リセラー)によるセッションが超満員になる一方、政府や病院などでのPDF応用例のセッションは参加者が少ない、などデザイン・制作・印刷にPDFを使う話題の発表の方が、ビジネス分野への応用のセッションよりも、盛況だったような印象がある。
パネルディスカッションも幾つかあったが、中でも、AdobeとMacromdeiaのM&Aによる影響について、また、Microsoftが発表したメトロとPDFの関係などについての意見交換が興味深かった。メトロはXMLベースの新しいWindows用のレンダラーであるが、PDFにどのような影響を与えるか、まだ不透明で、関心が集まっているようだ。
Webのアクセシビリティについて、米国ではセクション508規定がある。しかし、米国政府系のWebで公開されているPDFでも、まだ、セクション508規定を満たすものが少ないようだ。事例発表の中でもセクション508準拠を課題項目に挙げていた。セクション508準拠のPDFを作るには、元のアプリケーションの文書の作成から変えていく必要がある。この点からMicrosoft Wordのテンプレートの作り方や、どうやってセクション508準拠のPDFを作成するかに関するセッションもあった。
事例発表やベンダの製品発表でも特筆すべきは、PDFによるFormに関するものが多いということである。IRS(日本の国税庁に相当する)では、膨大な量の帳票があるが、これをPDF Formで配布しているようだし、日本と比べて、PDF Formの利用が多いという印象を受けた。
初日の最後のセッションでは、「Warp Speed Product Review」という題で、出展各社の製品紹介の時間があった。1社5分であったが、出展社の製品の概要を知るには良い機会であった。
参照先
会議の報告内容について以下に一部紹介する。
PDF Conferenceの目玉セッションは、PDFやAdobe製品関連の書籍を10冊ほど出版しているTed Padova氏によるAcrobatリーダ7の機能紹介、ならびに上級ユーザのためのAcrobat7の機能紹介の二つのセッションであろう。次にタイトルだけを紹介する。
Acrobatリーダ7の機能について知っておくべきこと
さらに、上級ユーザのためのAcrobat7の機能紹介のセッションでは、PDFを解析するためのいくつかの基本ステップの紹介、文書を最適化するために知っておくべきこと、対話するために設計されたPDF文書の例などについて紹介があった。
米国エネルギー庁(DOE)の主要研究機関であるNRELでは、1999年にSTI(科学技術情報)からパンフレットまでに渡る出版物を、印刷物からWebまで含めてPDFベースにすることを決め、この7年間で完全に電子的なプロセスに入れ替えた。出版物の作成から印刷・公開の過程をPDFを使ったワークフローにすることで、1998年のシステムでは、レポートの登録と公開までに6週間から1年かかっていたものが、最近では1週間になった。2000年から2005年までの間、毎年の達成目標を決めて実行してきた。特にWeb用PDFと印刷用PDFの標準を決めて、制作担当者を繰り返し教育することで効果を挙げている。
現在のWeb用PDFの標準には次のものがある。
一方、印刷用PDFの要求条件には次のものがある。
参照先
WindJack Solutions社のThom Parker氏による報告である。
AcroFormは、PDFドキュメントのForm中心の部分であり、Form Fieldとそれに反応するJavaScriptを含む。Form Fieldには、ボタン、テキストボックス、リスト、チェックボックスなどの対話的な要素を含み、AcrobatのFormToolやサードパーティのツールでPDFに付加される。
これに対して、XFA (Extensible Forms Arcitecture) とJS (Java Script) はLive Cycle Designer 7が作成するもので次の特徴がある。
Thom Parker氏は、上のように説明した上で、AcroForm PDFからLive Cycle Designer PDFへの変換について、詳しい報告を行った。
現在、Adobeの製品におけるPDFのFormには上のように2種類のアーキテクチャが存在する。将来、この二つは、どのように展開していくのだろうか?今後、注意しなければならない問題である。
参照先
アンテナハウスは、「XSLFormatterV3」と「サーバベース・コンバータ」を出展した。次の写真は、アンテナハウスの出展風景である。