最終更新日: 2008/10/06

XSL Formatter V4 の主な仕様/機能

XSL-FO ソフトウエアの開発に豊富な実績を誇るアンテナハウスは、V3で組版エンジンの完全な書き換えを行ないました。 これにより機能の強化はもちろん、より良い製品に向けての確かな基盤を築きました。

XSL Formatter V4 は、新しい XSL-FO 仕様である XSL 1.1 Extensible Stylesheet Language (XSL) Version 1.1 に対応したXML組版・印刷ソフトウェアです。

主な機能

XSL Formatter V4 は、以下のような優れた特徴を持っています。

  • XSL 1.1 に対応

    新しい XSL-FO 仕様である XSL 1.1 に対応しています。 XSL Formatter V4 は、XSL仕様のほとんどの要素、プロパティを忠実に実装しています。 例えば、表組みでの table-layout="auto" にも対応しています。詳細は「XSL1.1仕様の実装状況」 を参照してください。

  • 大規模な文書を組版

    XSL Formatter V4 の組版エンジンは、大規模文書を組版することが可能です。数万ページに及ぶようなテクニカルマニュアルなどの組版にも最適です。

  • 高速に組版

    XSL Formatter V4 は、組版を高速に処理し、PDFを生成します。WebでのPDF配信など、Webアプリケーションなどへの応用にも最適です。

  • 多言語組版

    XSL Formatter V4 は、ラテン文字、キリル文字、ギリシャ文字、日本文字、中国簡体字、中国繁体字、ハングル、アラビア文字、ヘブライ文字、デヴァナガリ文字、タイ文字など、Unicodeで扱えるほとんどの文字を扱うことができ、50以上の言語に対応しています。 また、縦書きや、アラビア語などの右から左への文章も記述でき、これらを混在させた文書も容易に作成することができます。 そのため、多国語対応の文書の生成などに最適です。ハイフネーション処理や、言語によって異なる約物前後の空白の調整なども自由に行うことができます。また、XSL Formatter V4 は、40言語以上の組込みのハイフネーション処理を行うことができます。ご自身でハイフネーション辞書を用意する必要はありません。

  • PDF出力だけでなくPostScript®出力、SVG出力、INX出力、XPS出力も可能

    PDF出力エンジンは独自開発したものです。接続数無制限のサーバ上でPDF出力が可能です。Acrobatのライセンスは不要です。またそれぞれのオプションをご購入いただくことで、SVGPostScript®INXXPS出力も可能となります。 SVG出力は携帯機器向けなどのSVG配信システムへの応用にも最適です。INX出力は、XSL Formatterの組版結果をInDesign®で編集することができます。XPS出力は、マイクロソフト社の電子文書フォーマットである XPS(XML Paper Specification)ファイルを出力するためのオプションです。

  • PDF/X、PDF/Aに対応

    XSL Formatter V4 は、PDF/X、PDF/Aに対応しています。PDF/Xは、印刷用にISOで規定されているデータ交換を重視した仕様です。PDF/Aは、電子文書の長期保存用の形式で、これもISOで規定されています。

  • アクセシブルなPDF

    XSL Formatter V4 は、障害者のアクセシビリティ向上のために、タグ付きPDFを作成することが可能です。 これは、2001年6月21日に施行された米国の法律Section 508を遵守するためにもなくてはならない機能です。

  • プリンタに直接出力

    Windows版では、PDFを経由することなく、プリンタへ直接出力することができます。 GUIを使えば、その場で組版結果を確認して、直ちに印刷できます。

  • SVG、MathML、EMF、WMF、CGMをネイティブに描画

    SVG、MathML、EMF、WMF、CGM画像は、ベクタのままPDF中に描画します。このため、画質の劣化が一切ありません。 MathMLのベクタでの描画には、「XSL Formatter MathML オプション」が必要です。CGMのベクタでの描画には、「XSL Formatter CGM オプション」が必要です。

  • PDF中にPDFの埋め込みも可能

    PDF中に他のPDFの任意のページを埋め込むことができます。

  • Microsoft® Excel のチャートを描画

    XSL Formatter チャートオプション」により、Microsoft®Excel のチャートを、グラフィクスとしてFOに指定し、描画することが可能になります。このとき、チャートはPDFへベクタとして描画されるので拡大縮小による画質の劣化はありません。

  • PANTONE®カラーに対応

    XSL Formatter PANTONE® オプション」により、Pantone社の色名を直接指定できるようになります。

  • 豊富な組込みインターフェイス

    XSL Formatter V4 は、組込みインターフェイスとして、コマンドラインインターフェイス、.NETインターフェイス、COMインターフェイス、Javaインターフェイス、C++/Cインターフェイスを用意しています(.NETインターフェイス、COMインターフェイス は Windows版のみ)。いずれもストリーム処理が可能です。これらを利用して、アプリケーションへの組み込みが簡単に行えます。また、.NETのネイティブ・パーサの出力(XML、XSLT出力)を、ファイルを経由せずに直接受け取ることもできます。.NETインタフォースだけでなくCOMインターフェイスでも DOMを直接受け取って、処理することができます。

  • かゆいところに手が届く拡張仕様

    XSL Formatter V4 は、XSL1.1では実現できない拡張仕様を数多く実装しています。例えば以下のような拡張があります。

動作環境

項目 内容 備考
Windows版 Windows 2000/XP
Windows Vista
Windows Server2003
Windows Server2008
Windows 7
PDF電子署名機能が使用できます
Windows x64版 Windows XP x64 Edition
Windows Vista x64 Edition
Windows Server2003 x64 Edition
Windows Server2008 x64 Edition
Windows 7 x64 Edition
PDF電子署名機能は使用できません
Solaris版 Sun Solaris 8, 9, 10 (Sparc version)
Sun Solaris 10 (x86 version)
Linux版 RedHat Linux 8, 9
Red Hat Enterprise Linux version 3,4
SuSE Linux 8.1
Turbolinux 8
Turbolinux 10 Server
MIRACLE LINUX V3.0 RC3, V4.0
Debian GNU/Linux 3.0r2
libstdc++.so.5 ランタイムライブラリが必要
Linux64ビット版 Red Hat Enterprise Linux version 4
SUSE Linux Enterprise Server 10
Cent OS 5.1
libstdc++.so.6 ランタイムライブラリが必要
Macintosh版 Mac OS X Version 10.3, 10.4 (ppc version)
HP-UX版 HP-UX11i v1 (B.11.11) PA-RISC version
HP-UX11i v2 (B.11.23) IA-64 version
AIX版 AIX Version 5.2, POWER version VAC++ 6.0 ランタイムライブラリが必要

上記以外の動作環境へも逐次対応していく予定です。詳細についてはお問い合わせください。

Windows版について

インストールする場合は、管理者権限を持つユーザでログインしてください。Windows版では、管理者権限がないとインストールできません。

組版の流れ

組版の仕組み

XSL Formatter V4 は、XSL Formatting Objects (XSL-FO) を組版、または、XML文書とXSLスタイルシートからの組版を行ないます。組版結果は、GUIを用いてディスプレイへ表示したり、PDFへ出力、または印刷されます (ディスプレイ表示と印刷は Windows版のみ)。

この流れは、次のようになります。

  • XSL Formatting Objects を入力したときは、それを直ちに組版します。
  • XML文書とXSLスタイルシートを入力したときは、それらを XSLTプロセッサを使って XSL Formatting Objects に変換し、その XSL Formatting Objects を組版します。
  • WordML文書を入力したときは、それを XSLTプロセッサを使って XSL Formatting Objects に変換し、その XSL Formatting Objects を組版します。
  • XML文書と、XSL Report Designer のレイアウト定義ファイルを入力したときは、XSL Report Designer を使って XSL Formatting Objects に変換し、その XSL Formatting Objects を組版します。

XSLTプロセッサについて

XSL FormatterはXML文書とXSLスタイルシートから XSL Formatting Objects (XSL-FO) への変換にはXSLTプロセッサを使います。

Windows版

Windows版では、特に設定していない場合は MSXML4 または MSXML3 を標準のXSLTプロセッサとして使用します。

Windows Vista、Windows XP、Internet Explorer 6以降 をご使用の場合は、MSXML3はすでにインストールされていますので組込みは不要です。そのままご利用いただけます。 Windows Vista、Windows XP以外のWindows、もしくはInternet Explorer 6以前のInternet Explorerをご使用の場合は、MSXMLを入手/インストールしてください。

またWindows版で別のXSLTプロセッサを使用することも可能です。別のXSLTプロセッサを使用ときは使用するXSLTプロセッサの設定を行なってください。 XSLTプロセッサの設定は、「環境変数」または「オプション設定ファイル」で行ないます。

(XSLTプロセッサの設定方法の詳細はXSL Formatterのオンラインマニュアルをご覧ください。)

Windows版以外

Windows版以外では、別途XSLTプロセッサを用意して、使用するXSLTプロセッサの設定を行なってください。 XSLTプロセッサの設定は「環境変数」または「オプション設定ファイル」で行ないます。

(XSLTプロセッサの設定方法の詳細はXSL Formatterのオンラインマニュアルをご覧ください。)

MSXML4(MSXML3)の入手とインストールについて

MSXML4(MSXML3) は、以下からダウンロードしてください。

ダウンロードしたMicrosoft XML Parserは、(ファイル名はmsxml3.msi)はWindowsインストーラパッケージですので、それを実行すると自動的にWindows Installer でインストールされます。

XSL Formatting Objects の仕様

XSL Formatter V4 は、Extensible Stylesheet Language (XSL) Version 1.1 に準拠しています。

実装済のFOとプロパティの一覧は 「XSL仕様の実装状況」でご確認ください。

対応言語

XSL Formatter V4 は、以下のスクリプトで表現される言語に対応しています。

  • ラテン文字
  • ギリシャ文字
  • キリル文字
  • アラビア文字
  • ヘブライ文字
  • デヴァナガリ文字
  • タイ文字
  • ハングル
  • ひらがな
  • カタカナ
  • 漢字

ラテン文字、ギリシャ文字、キリル文字については、ハイフネーション処理が可能です。

対応エンコーディング

XSL Formatter V4 が受け付けることのできるFOのエンコーディングは以下のとおりです。

  • UTF-8
  • UTF-16
  • UTF-32
  • ISO-10646-UCS-2
  • ISO-10646-UCS-4
  • ANSI_X3.4
  • ISO_646.irv
  • ISO646-US
  • US-ASCII
  • ISO_8859-1
  • latin1
  • Windows-31J
  • Shift_JIS
  • EUC-JP
  • ISO-2022-JP
  • GB18030
  • GBK
  • GBK2312
  • GB18030
  • Big5
  • KS_C_5601-1987
  • iso-ir-149
  • korean

Shift_JIS は、Windows-31J として扱われます。歴史的な理由により、Macintosh の Shift_JIS と、Windows の Shift_JIS には互換性がありません。Macintosh の Shift_JIS での丸付き数字などの非互換部分は、文字参照などを用いて解決しておく必要があります。

なお、XML文書とXSLスタイルシートに関しては、利用するXSLTプロセッサに依存します。


Copyright © 1996-2010 Antenna House, Inc. All rights reserved.
Antenna House is a trademark of Antenna House, Inc.