最終更新日: 2005/05/24

XSL Formatter V3.3 β の主な仕様/機能

XSL-FO ソフトウエアの開発に豊富な実績を誇るアンテナハウスは、V3で組版エンジンの完全な書き換えを行ないました。 これにより機能の強化はもちろん、より良い製品に向けての確かな基盤を築きました。

XSL Formatter V3.3 は、XML文章を綺麗に表示・印刷するための仕様として 2001年10月15日にW3Cで勧告された Extensible Stylesheet Language (XSL) Version 1.0 に対応したXML組版・印刷ソフトウェアです。

主な機能

XSL Formatter V3.3 は、以下のような優れた特徴を持っています。

  • 大容量組版が可能

    新規に開発した組版エンジンにより、大容量組版を実現しました。

  • 高速に組版

    新規に開発した組版エンジンにより、大幅な組版の処理速度の向上を達成しました。

  • W3C仕様に忠実

    W3CのXSL仕様のうち、非常に多くの要素、プロパティを忠実に実装しています。 例えば、overflow プロパティや、表組みでの table-layout="auto" にも対応しています。

  • 多言語組版

    ラテン文字、キリル文字、ギリシャ文字、日本文字、中国簡体字、中国繁体字、ハングル文字、アラビア文字、ヘブライ文字、タイ文字など、Unicodeで扱えるほとんどの文字を扱うことができます。 また、縦書きや、アラビア語などの右から左への文章も記述でき、これらを混在させた文書も容易に作成することができます。 「XSL Formatter ハイフネーションオプション」をご購入いたたけば、ご自身でハイフネーション辞書をご用意していただく必要なく、40言語以上のハイフネーション処理が可能になります。

  • PDFネイティブ出力エンジンでサーバ上でPDF出力も

    組版結果を自力でPDFファイルに出力する独自開発エンジンにより、接続数無制限のサーバ上でXMLのPDF化が可能です。Acrobatのライセンスは不要です。

  • 組版結果をSVGに出力

    独自開発エンジンにより、組版結果をSVGとして出力することが可能です。出力されるSVGは、SVG 1.1、SVG Basic、SVG Tiny を選べます。 この機能には、「XSL Formatter SVG出力オプション」が必要です。

  • SVG、MathML、EMF、WMFをネイティブに描画

    独自開発の描画エンジンにより、高解像度のSVG、EMF、WMF画像をPDF中に描画することが可能です。 XSL Formatter V3.3 では、「XSL Formatter MathML オプション」により、高解像度のMathMLをPDF中に描画することが可能です。

  • 組込みインターフェイス

    コマンドラインインターフェイス、.NETインターフェイス、COMインターフェイス、Javeインターフェイスを用意しています (.NETインターフェイス、COMインターフェイス は Windows版のみ)。いずれもストリーム処理が可能です。これらを利用して、アプリケーションへの組み込みが簡単に行えます。

  • .NETのネイティブ・パーサの出力を受け取れる

    例えば、追加されたRenderメソッドによって .NETのネイティブ・パーサの出力(XML、XSLT出力)を、ファイルを経由せずに直接受け取ることができます。
    また、.NETインタフォースだけでなくCOMインターフェイスでも DOMを直接受け取って、一時ファイルに保存することなく処理することができます。

  • プリンタに直接出力可能

    Windows版では、PDFを経由することなく、プリンタへ直接出力することができます。GUIを使えば、その場で組版結果を確認して、直ちに印刷できます。

  • GUI画面上で検索

    GUI画面上で、組版結果中の文字列や属性を検索することができます。

動作環境

項目 内容
Windows版 Windows NT4.0/2000/XP
Windows Server2003
Solaris版 Sun Solaris 8, 9 (Sparc版)
Linux版 RedHat Linux 8.0, 9
Red Hat Enterprise Linux version 3,4
SuSE Linux 8.1
Turbolinux 8
MIRACLE LINUX V3.0 RC3
Debian GNU/Linux 3.0r2
Macintosh版 Mac OS X Version 10.3
HP-UX版 HP-UX11i v2 (B.11.23) ia64 version

上記以外の動作環境へも逐次対応していく予定です。詳細についてはお問い合わせください。

Windows版について

Windows版をWindows NT4.0/2000/XP/Server2003へインストールする場合、管理者権限を持つユーザでログインしてください。NT4.0/2000では管理者権限がないとインストールできません。また Windows XP/Server2003 では、次のエラーメッセージが表示されてインストールすることができません。

「InstallShieldエンジン(ikernel.exe)を起動できませんでした。クラスが登録されていません」

Solaris版について

Solaris版をインストールする場合、スーパーユーザ(root)権限を持つユーザでログインしてください。管理者権限がないとインストールできません。

Linux版について

Linux版をインストールする場合、スーパーユーザ(root)権限を持つユーザでログインしてください。管理者権限がないとインストールできません。

XSL Formatter V3.3 Linux版は、GCC 3.2.X でビルドされています。よってXSL Formatter V3.3 Linux版は、ランタイムライブラリ libstdc++.so.5 を使用します。あなたの環境に libstdc++.so.5 が含まれていない場合は、ご自身で取得してください。

Macintosh版について

Macintosh版をインストールする場合、スーパーユーザ(root)権限を持つユーザでログインしてください。管理者権限がないとインストールできません。

Classic MacOS で利用されてきた、フォントがリソースフォークに定義されている旧フォントスーツケースには対応していません。

HP-UX版について

HP-UX版をインストールする場合、スーパーユーザ(root)権限を持つユーザでログインしてください。管理者権限がないとインストールできません。

組版の流れ

XSL Formatter V3.3 は、XSL Formatting Objects (XSL-FO) を組版、または、XML文書とXSLスタイルシートからの組版を行ないます。組版結果は、GUIを用いてディスプレイへ表示したり、PDFへ出力、または印刷されます (ディスプレイ表示と印刷は Windows版のみ)。
この流れは、次のようになります。

組版の仕組み

  • XSL Formatting Objects を入力したときは、それを直ちに組版します。
  • XML文書とXSLスタイルシートを入力したときは、それらを XSLTプロセッサを使って XSL Formatting Objects に変換し、その XSL Formatting Objects を組版します。
  • WordML文書を入力したときは、それを XSLTプロセッサを使って XSL Formatting Objects に変換し、その XSL Formatting Objects を組版します。
  • XML文書と、XSL Report Designer のレイアウト定義ファイルを入力したときは、 XSL Report Designer を使って XSL Formatting Objects に変換し、その XSL Formatting Objects を組版します。

XSLTプロセッサについて

XSL FormatterはXML文書とXSLスタイルシートから XSL Formatting Objects (XSL-FO) への変換にはXSLTプロセッサを使います。

Windows版

Windows版では、特に設定していない場合は MSXML4 または MSXML3 を標準のXSLTプロセッサとして使用します。

Windows XP、Internet Explorer 6以降 をご使用の場合は、MSXML3はすでにインストールされていますので組込みは不要です。そのままご利用いただけます。 Windows XP以外のWindows、もしくはInternet Explorer 6以前のInternet Explorerをご使用の場合は、MSXMLを入手/インストールしてください。

またWindows版で別のXSLTプロセッサを使用することも可能です。別のXSLTプロセッサを使用ときは使用するXSLTプロセッサの設定を行なってください。 XSLTプロセッサの設定は、「環境変数」または「オプション設定ファイル」で行ないます。

(XSLTプロセッサの設定方法の詳細はXSL Formatterのオンラインマニュアルをご覧ください。)

Solaris/Linux/Macintosh/HP-UX版

Solaris/Linux版では、別途XSLTプロセッサを用意して、使用するXSLTプロセッサの設定を行なってください。 XSLTプロセッサの設定は「環境変数」または「オプション設定ファイル」で行ないます。

(XSLTプロセッサの設定方法の詳細はXSL Formatterのオンラインマニュアルをご覧ください。)

MSXML4(MSXML3)の入手とインストールについて

MSXML4(MSXML3) は、以下からダウンロードしてください。

ダウンロードしたMicrosoft XML Parserは、(ファイル名はMSXML3SP1.EXE)は自己解凍ファイルですので、それを実行すると自動的にWindows Installer でインストールされます。

【注意】ご自分でシステムフォルダにコピーしても登録されませんのでご注意ください。

XSL Formatting Objects の仕様

XSL Formatter V3.3 は、Extensible Stylesheet Language (XSL) Version 1.0 に準拠しています。

実装済のFOとプロパティの一覧は XSL Formatter V3.3 オンラインマニュアルの「XSL仕様の実装状況」でご確認ください。

対応エンコーディング

XSL Formatter V3.3 が受け付けることのできるFOのエンコーディングは以下のとおりです。

  • UTF-8
  • UTF-16
  • UTF-32
  • ISO-10646-UCS-2
  • ISO-10646-UCS-4
  • ANSI_X3.4
  • ISO_646.irv
  • ISO646-US
  • US-ASCII
  • ISO_8859-1
  • latin1
  • Windows-31J
  • Shift_JIS
  • EUC-JP
  • EUC-JP-FIX
  • ISO-2022-JP
  • GB18030
  • GBK
  • GBK2312
  • GB18030
  • Big5
  • KS_C_5601-1987
  • iso-ir-149
  • korean

Shift_JIS は、Windows-31J として扱われます。歴史的な理由により、Macintosh の Shift_JIS と、Windows の Shift_JIS には互換性がありません。Macintosh の Shift_JIS での丸付き数字などの非互換部分は、文字参照などを用いて解決しておく必要があります。

FOの各エンコーディングには、弊社製「DMC Text Filter 」ライブラリを利用して対応しています。

なお、XML文書とXSLスタイルシートに関しては、利用するXSLTプロセッサに依存します。

XSL Formatter V3.3の新しい機能

XSL Formatter V3.3 は、V3.2に比べて格段に機能強化されました。主な変更点は以下のとおりです。

  • SVGへの出力が可能になりました。SVG出力はオプションです。⇒ XSL Formatter SVG出力オプション
  • GUIで検索ができるようになりました。
  • トンボを出力できるようになりました。
  • PDFへの注釈の出力ができるようになりました。
  • 丸め径、ボックスシャドウの指定ができるようになりました。
  • fo:block-container 中での段組が指定できるようになりました。
  • axf:footnote-position が拡張され、傍注などができるようになりました。
  • axf:footnote-alignで、脚注の配置を指定できるようになりました。
  • 同一ページ内の同一の脚注を削除できるようになりました。
  • スポットカラーに対応しました。
  • JPEG2000に対応しました。
  • ラスタ画像のダウンサンプリングができるようになりました。
  • リニアライズドPDFが作成できるようになりました。(XSL Formatter V3.3 βでは動作しません)
  • 欧文基本14フォントをPDFへ埋め込めるようになりました。

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