 XSL Formatter PDF出力オプションについて
「XSL Formatter PDF出力オプション」の主な仕様は下記の通りです。詳しくは「XSL Formatter PDF出力オプション オンラインマニュアル」をご覧ください。
文字出力
フォント
Type1フォント(Adobe標準の欧文基本14フォントを含む)、および TrueTypeフォント(TrueType アウトライン形式のOpenTypeフォントを含む)をサポートします。
上記以外の形式のフォントはサポートされません。
また、XSL Formatterでは使用するフォントが実行環境にインストールされている必要があります。フォント のインストール方法については、Windowsのヘルプ、あるいはフォントに添付される説明書などを参 照してください。 なお、フォントのインストール時には必ず「フォントフォルダにフォントをコピーする」を 指定してください。
Type1フォントに関する注意事項
- Type1フォントはWindows2000/XP環境でのみサポートします。
- Type1フォント内の14 フォント(Courier, Courier-Bold, Courier-Oblique, Courier-BoldOblique, Helvetica, Helvetica-Bold, Helvetica-Oblique, Helvetica-BoldOblique, Times-Roman, Times-Bold, Times-Italic, Times-BoldItalic, Symbol, ZapfDingbats)はPDFでは欧文基本14フォントと呼ばれます。 欧文基本14フォント以外のType1フォントを使用する場合、フォントをインストールした後、AFM(Adobe Font Metrics)ファイルをWindowsのフォントフォルダに格納する必要があります。AFMファイルは通常、フォントに添付されています。フォントフォルダへの格納は、エクスプローラからのファイルコピーではエラーとなりますので、DOSプロンプトからCOPYコマンドを使用してください
(欧文基本14フォントについてはAFMファイルのフォントフォルダへのコピーは必要ありません)。
- Type1 フォントのグリフ名称と 組版データの文字コード(Unicode)との対応付けはAGL(Adobe Glyph List)の定義に沿って行います。AGL に定義されていない名称を持つグリフは出力されません。
弊社にて動作確認済の Type1 フォントを
こちら
に記述してありますので、ご参照ください。
文字セット、エンコード
サポートされる文字セットは以下のものです。
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Adobe 標準ラテン文字セット
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Symbol 文字セット
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ZapfDingbats 文字セット
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日本語文字セット(Adobe-Japan1-Supplement2)
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簡体中国語文字セット(Adobe-GB1-Supplement2)
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繁体中国語文字セット(Adobe-CNS1-Supplement0)
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韓国語文字セット(Adobe-Korea1-Supplement1)
XSL Formatterの内部処理はすべて Unicode で行われます。中国語、日本語、韓国語(CJK) の文字の場合、本オプションが出力するPDFは、この Unicode を、それぞれ以下のCMapを使用して、CJK各文字セット内のグリフへ割り当てています。
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日本語 : UniJIS-UCS2-H(V)、UniJIS-UCS2-HW-H(V)
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簡体中国語 : UniGB-UCS2-H(V)
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繁体中国語 : UniCNS-UCS2-H(V)
-
韓国語文字 : UniKS-UCS2-H(V)
上記の文字セットに属さない文字はフォントからグリフのアウトラインを取得して、PDF内にフォント埋め込みを行います(この処理はTrueTypeフォントに対してのみ行われます)。
フォント埋め込み
PDFにフォントのアウトラインデータを埋め込むことで、フォントが存在しない環境でも表示可能なPDFファイルを作成する ことができます。本オプションでは、TrueTypeフォント、Type1フォントで、この機能を使用することができます。
デフォルトの設定では、フォントが対応する文字セットに定義のない文字のみ、フォントの埋め込みを行います。この時、使用されているフォントが TrueType形式でない場合、あるいはフォントベンダーによって埋め込みが禁止されているTrueType形式であった場合、エラーを返して終了します。これをエラーとせず、空白文字に置き換えてPDF出力を行うこともできます。
また、文字セットに定義されている文字か否かによらず、埋め込みを行うフォントを指定することもできます。
(注意:埋め込みが許可されていないフォントを外部フォントとして出力する方法はサポートしておりません。)
タイ語出力
Windows2000/Xp 環境で、下記のフォントを使用したタイ語出力をサポートします。
- Microsoft Sans Serif
- Tahoma
- Arial Unicode MS
- Angsana New
- Angsana UPC
- Browallia New
- Browallia UPC
- Cordia New
- Cordia UPC
- Dillenia UPC
- Eucrosia UPC
- Freesia UPC
- Iris UPC
- Jasmine UPC
- Kodchiang UPC
- Lily UPC
-
上記の 4. 以降のフォントは Windows2000 のコントロールパネル「地域のオプション」のシステムの言語設定で、タイ語をチェックした場合に追加されるフォントです。WindowsXPでは、コントロールパネルの「地域と言語のオプション」の言語タブ内で「複合文字や右から左方向に書く各言語(タイ語を含む)のファイルをインストールする」をチェックした場合に追加されます。
-
1,3 のフォントは Regular書体のみ、2のフォントは Regularおよび Bold書体、その他はRegular,Bold,Italic,BoldItalic 書体に対応します。
-
タイ文字の処理時、出力文字をチェックし、グリフに置換が必要な文字の並びを検出した場合に、グリフの置換を行います。
アラビア語出力
Windows2000/Xp 環境で、下記のフォントを使用したアラビア語出力をサポートします。
- Arial
- Courier New
- Microsoft Sans Serif
- Tahoma
- Times New Roman
- Arial Unicode MS
-
Windows2000 のコントロールパネル「地域のオプション」のシステムの言語設定で、アラビア語をチェックした場合に追加されるフォント、および、WindowsXPで、コントロールパネルの「地域と言語のオプション」の言語タブ内で「複合文字や右から左方向に書く各言語(タイ語を含む)のファイルをインストールする」をチェックした場合に追加されるアラビア語フォントには対応しておりません。
-
3,6 のフォントは Regular書体のみ、その他は、Regularおよび Bold書体に対応します。
-
アラビア文字の処理時、上記のフォント内に定義されている OpenType feature を使用して、アラビア文字の語頭形、語中形、語尾形、独立形へのシェイピングを行います。また、Ligature 、マーク等のグリフ置換が定義されている場合、それに応じて、処理を行います。
対応しているfeatureは 'init','medi','fina','isol','liga','mset'の各 feature です。
ヘブライ語出力
Windows2000/Xp 環境で、下記のフォントを使用したヘブライ語出力をサポートします。
- Arial
- Courier New
- Lucida Sans Unicode
- Microsoft Sans Serif
- Tahoma
- Times New Roman
- Arial Unicode MS
- Aharoni
- David
- David Transparent
- FrankRuehl
- Levenim MT
- Miriam
- Miriam Fixed
- Fixed Miriam Transparent
- Miriam Transparent
- Narkisim
- Rod
- Rod Transparent
-
上記の 8. 以降のフォントは Windows2000 のコントロールパネル「地域のオプション」のシステムの言語設定で、ヘブライ語をチェックした場合に追加されるフォントです。WindowsXPでは、コントロールパネルの「地域と言語のオプション」の言語タブ内で「複合文字や右から左方向に書く各言語(タイ語を含む)のファイルをインストールする」をチェックした場合に追加されます。
-
3,4,7,10,11,13,14,15,16,17,18,19 のフォントは Regular書体のみ、8のフォントはBold書体のみ、5,9,12のフォントは Regularおよび Bold書体、その他はRegular,Bold,Italic,BoldItalic 書体に対応します。
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ヘブライ文字の処理時、出力文字をチェックし、Unicode仕様の Hebrew Presentation Forms に定義されている文字への変換が必要な文字列を検出した場合に、それへの置換を行います。
文字出力に関する制限事項
-
OpenTypeフォントには Glyph Substitution 等の Advanced Tyopograhic Extensions と呼ばれる機能があります。本オプションでは縦書き文字時の Glyph Substitution('vert')、および、前述のアラビア文字用の 'init'、'medi'、'fina'、'isol'、'liga'、'mset'に対応しております。このほかの feature を使用したフォントは、正しく処理されない場合があります。
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アラビア語の単語間のスペースが組版画面と相違する場合があります。
-
アラビア語のkashida の挿入位置が組版画面と相違する場合があります。
ベクトルイメージ出力
- ラスタイメージ格納時の圧縮形式は、JPEG形式、ZLIB形式(BitMap形式のFlate圧縮)の2種類をサポートします。また「自動」を指定することにより、サイズの小さい側を選択することもできます。JPEG形式への変換では画質を指定することができます。
ラスタイメージ出力
-
ラスタイメージ格納時の圧縮形式は、JPEG形式、ZLIB形式(BitMap形式のFlate圧縮)の2種類をサポートします。また「自動」を指定することにより、サイズの小さい側を選択することもできます。JPEG形式への変換では画質を指定することができます。
(注意:ラスタイメージのダウンサンプリングはサポートしておりません。ラスタイメージ内の透過色は不透過に変換されます。)
「しおり」と「リンク」
- 元文書内で設定を行うことにより、PDFの「しおり(bookmark)」、「リンク」を作成することができます。
(注意:Acrobat でサポートされていない言語(タイ語が含まれます)に属する文字をしおりに指定した場合、正しく表示されない場合があります。)
「文書情報」
- 元文書内の拡張プロパティにより、PDFの「タイトル」、「サブタイトル」、「作成者」、「キーワード」 を設定することができます。設定方法はXSL Formatter本体のオンラインマニュアルを参照してく ださい。
「セキュリティ」設定
- PDFファイルのパスワード、セキュリティ設定をサポートしております。セキュリティ設定時の暗号化は 40-bit RC4(Acrobat3.x,4.x) を使用します。
- 「ユーザパスワード」、「マスタパスワード」の設定、および、各種アスセス権限の指定が可能です。
XSL FormatterからPDF出力オプションを使用するためには
お使いのPCに「XSL Formatter」をインストールした後、「XSL FormatterPDF出力オプション」をインストールしていただくだけです。Acrobatがインストールされている必要はありません。
(ただし、出力されたPDFファイルを確認するためには、Adobe Acrobat Reader等が必要になります)
動作環境は、XSL Formatter 本体の動作環境に準じます。
フォント埋め込み設定
PDF出力時のフォントの埋め込みに関する設定は、XSL Formatter ツールメニューの「PDFオプション」で表示されるダイアログの「フォント」プロパティシートで行います。
このダイアログ内の各項目について以下に説明します。
項目 | 説明 |
フォント一覧 | 実行環境にインストールされているフォントが表示されます。 ここに表示されるフォントの中から、埋め込みを行うTrueTypeフォントを指定することができます。 TrueTypeフォントはフォントの名前の先頭に が表示されています。
Type1フォントはフォントの名前の先頭に が表示されています。
そのほかのアイコン( 等)が表示されているフォントは埋め込み指定できません。
また、 が表示されているフォントはフォントベンダにより埋め込みが制限されているフォントです。これも同様に、埋め込み指定することはできません。
(PDFの標準14フォントについては、ここでの指定の有無にかかわらず埋め込みを行いません)
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常に埋め込みを行うフォント | フォント埋め込みの対象として指定されているフォントが表示されます。 組版結果内に、ここに表示されているフォントが含まれていた場合、PDFファイルにフォントのアウトラインデータを埋め込みます。
「常に埋め込みを行うフォント」として指定するには、左側の「フォント一覧」からフォントを選択し、中央のボタンをクリックしてください。 また、指定したフォントを解除する場合、「常に埋め込みを行うフォント」内でフォントを選択し、「削除ボタン」をクリックしてください。
フォントが埋め込まれたPDFは、ファイルサイズが大きくなりますが、フォントがインストールされていない環境でも正しく表示されます。 |
埋め込みできない場合の処理 |
PDFには、フォントの埋め込みを行わないと正しく表示できない文字が存在します。このような文字が組版結果に含まれていた場合、本オプションは、そのフォントが埋め込み指定されていない場合も自動的にその文字のフォントの埋め込みを行います。
フォントベンダーにより、埋め込みが禁止されているフォント、あるいは本オプションが埋め込みをサポートしていない形式のフォント内に、このような文字が存在した場合、空白に置き換えてPDF出力を行うか、エラーとしてPDF出力を中止するか、を指定します。
既定値は「エラー終了する」です。 |
埋め込み可能なすべてのフォントを埋め込む |
組版結果内に含まれるフォント内で、フォントの埋め込みが制限されていないTrueTypeフォント、Type1フォントのアウトラインデータをすべて埋め込む場合に指定します。
これが指定された場合、ダイアログ内の「フォント一覧」、および「常に埋め込みを行うフォント」は動作しません。 |
欧文基本書体名指定時に標準のPostScriptフォントを使用する |
PDF の標準Type1フォント14種類の扱いを指定します。組版結果内に標準Type1フォントに該当する名称のフォントがあった場合、既定値ではシステムにインストールされているフォントを使用して処理しますが、この項目がチェックされている場合、インストールされているフォントにかかわらず、標準Type1フォントを使用するPDFを出力します。 (これは将来のバージョン用にリザーブされている機能です。本バージョンでは動作しません)
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セキュリティ設定
PDF出力時のセキュリティに関する設定は、XSL Formatter ツールメニューの「PDFオプション」で表示されるダイアログの「セキュリティ」プロパティシートで行います。
このダイアログ内の各項目について以下に説明します。
項目 | 説明 |
ユーザパスワード |
出力するPDFファイルにユーザパスワードを設定する場合、ここに入力してください。 ユーザパスワードが設定されたPDFファイルはAcrobat,AcrobatReader のファイル参照時にパスワード確認ダイアログが表示されます。
32Byteまでの文字が指定可能です。0x20 ~0x7E、0xA1~0xDF のコード範囲の文字が指定可能です。これ以外の文字(漢字など)は使用できません。 |
マスタパスワード |
出力するPDFファイルにマスタパスワードを設定する場合、ここに入力してください。
マスタパスワードが設定されている場合、Acrobatで各権限を変更しようとすると、マスタパスワードが要求されます。権限を設定する場合、通常はマスタパスワードも同時に設定してください。
32Byteまでの文字が指定可能です。0x20 ~0x7E、0xA1~0xDF のコード範囲の文字が指定可能です。これ以外の文字(漢字など)は使用できません。
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権限 印刷を許可しない |
Acrobat,Acrobat Reader で印刷できないようにする場合、チェックします。
既定値は「印刷を許可する」です。
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権限 文書の変更を許可しない |
Acrobat でフォームフィールドの作成や、その他の変更ができないようにする場合、チェックします。
既定値は「文書の変更を許可する」です。
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権限 内容のコピーや抽出を許可しない |
Acrobat,Acrobat Reader でテキストとグラフィックのコピーができないようにする場合、あるいは、アクセシビリティインタフェイスを無効にする場合にチェックします。
既定値は「内容のコピーや抽出を許可する」です。
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権限 注釈とフォームフィールドの追加や変更を許可しない |
Acrobat で注釈とフォームフィールドの追加や変更ができないようにする場合、チェックします。
既定値は「注釈とフォームフィールドの追加や変更を許可する」です。
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- ユーザパスワード、マスタパスワードを同時に指定する場合、同じパスワードは指定できません。異なるパスワードを指定してください。
圧縮設定
PDF出力時の画像の圧縮に関する設定は、XSL Formatter ツールメニューの「PDFオプション」で表示されるダイアログの「圧縮」プロパティシートで行います。
このダイアログ内の各項目について以下に説明します。
項目 | 説明 |
圧縮 |
PDFファイル内に格納するラスタイメージデータの圧縮方法を「自動」、「JPEG」、「ZLIB」から指定します。
(実行環境の画面のプロパティの画面の色の設定が256色となっている場合、指定によらず「ZLIB」 圧縮となります)
(「自動」が指定された場合、JPEG/ZLIB 双方の圧縮方法から、サイズが小さくなる側を選択します。双方の圧縮を実際に行って判定するため、JPEG/ZLIB 指定に比較して、変換に時間がかかります。)
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JPEG画質 |
JPEG形式でラスタイメージデータを格納する場合の画質を1~100の範囲で指定します
低、中、高、最高は、それぞれ、詳細指定の70、80、95、100に相当します。数字が大きいほど画質は上がりますが、出力されるPDFのファイルサイズが大きくなります。
既定値は「中」です。
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ベクトルイメージのラスタ化解像度 |
本オプションは組版結果内に格納されているWMF,EMF,SVGをラスタイメージに変換してPDFに格納します。ここではこの変換時に作成するラスタイメージの解像度を70~500(dpi)の範囲で指定します。
低、中、高は、それぞれ、詳細指定の 108、225、450 に相当します。
既定値は「中」です。
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その他の設定
その他の設定については、XSL Formatter ツールメニューの「PDFオプション」で表示されるダイアログの「その他」プロパティシートで行います。
このダイアログ内の各項目について以下に説明します。
項目 | 説明 |
相対アドレス指定リンクの処理 |
本製品では、XSLのfo:basic-linkで、PDFのリンクを作成することができます。
ここでは、相対アドレスで指定された外部へのリンク( external-destination プロパティ)を、PDFのリンクプロパティの動作種別「ファイルを開く」、「World Wide Web リンク」のどちらに変換するかを指定します。
絶対アドレス指定の場合は、「World Wide Web リンク」へ変換します。
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相対アドレス指定の World Wide Webリンク のベースURI はfo のroot プロパティで指定することができます。以下に例を示します。
<fo:root xmlns:fo="http://www.w3.org/1999/XSL/Format"
xmlns:axf="http://www.antennahouse.com/names/XSL/Extensions"
axf:base-uri="http://www.antennahouse.co.jp/xsl-info/"
>
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