第5章 PresentationML

notesMaster/noteSlide

スライドに関するメモを作成して、プレゼンテーションを行う際に活用したり出席者に配布したりできるのがノートです。ノートはスライドごとに作成されます。

ノートのデータはノートマスターとノートスライドから構成されています。

ノートマスターはノートを作成する際のテンプレートの役割をするマスターです。ノートマスターはページ設定、ヘッダー、フッターのプレースホルダー、背景などの情報を持っています。

ノートマスター例
ノートマスター例

ノートマスターはnotesMastersフォルダに格納されます。

presentation.xmlにはノートマスターのためのnotesMasterIdLst要素があり、その子要素のnotesMasterId要素によってノートマスターのための関連付けIDが定義されています。

presentation.xml
<p:notesMasterIdLst>
  <p:notesMasterId r:id="rId4"/>
</p:notesMasterIdLst>

このとき、関連付けのpresentation.xml.relsファイルには、次のように定義されています。

presentation.xml.rels
<Relationship Id="rId4"
  Type="http://schemas.openxmlformats.org/officeDocument/2006/relationships/notesMaster"
  Target="notesMasters/notesMaster1.xml"/>

Target属性の値でノートマスターのパーツが定義されます。

PowerPointではノートマスターでノートのレイアウトを決定してから、スライドごとにノートを作成します。したがって、ノートのパーツはスライド単位に分割して作成されます。ファイル名はnotesSlide1.xml、noteSlide2.xmlのように番号付けされたファイルです。

presentation.xmlおよびslideのパーツであるslide1.xml、slide2.xmlのファイルには、ノートに関する情報はありません。スライドのデータとノートのデータは分離されています。

スライドとノートを結び付けるのは関連付けです。例えば、slide1.xmlのスライドの関連付けファイルであるslides/_rels/slide1.xml.relsには次のように定義されています。

slides/_rels/slide1.xml.rels
<Relationship Id="rId2"
  Type="http://schemas.openxmlformats.org/officeDocument/2006/relationships/notesSlide"
  Target="../notesSlides/notesSlide1.xml"/>

ノートマスターには、スライドレイアウトのようにノートスライドのレイアウト情報が格納されます。notesMaster要素をルートに、次表の子要素が定義されています。

notesMaster要素の子要素一覧

要素名 説明
cSld ノートマスターのスライドデータ
clrMap カラースキーマMap
hf ノートマスターのヘッダー・フッター情報
notesStyle ノートのテキストスタイル
extLst 拡張リスト

cSld要素の中にノートのレイアウトに関するスライドデータがあります。また、notesStyle要素の中でノートのスタイル情報が格納されています。

ノートスライドのパーツには、ユーザが作成したノートの内容が格納されます。notes要素をルートとして、以下の子要素が定義されています。

notes要素の子要素一覧

要素名 説明
cSld ノートスライドのスライドデータ
clrMap カラースキーマMap
extLst 拡張リスト

cSld要素の中にスライドと同じくノートの内容が保存されます。

ノートの内容
ノートの内容