第7章 Markup Compatibility and Extensibility

MCEについて

Markup Compatibility and Extensibility(MCE)はISO/IEC 29500 Part 3にある仕様です。複数種類の名前空間が混在するようなXMLアプリケーションで、仕様の将来的な互換性・拡張性を扱うための仕組みについて定義しています。

OPC仕様では複数種類のファイルをパッケージに格納する方法と、互いの関連性を記述する仕組みについて定義しています。しかし、同じXML文書内で、別の名前空間を持つようなマークアップについてはこの方法では解決しません。さらに、あるアプリケーションのために拡張することを考慮したとき、増大した部分と元の部分でどう扱うかをアプリケーション実装側ではなく仕様で決める仕組みがあれば、元の仕様と互換性のある他のアプリケーションでも同じXML文書を破綻することなく扱えます。そのための仕様がMCEです

OPCとMCE
OPCとMCE

MCEはOOXMLを国際規格足らしめるために重要な仕様で、OPCと同様にオフィス文書用に限らない汎用性があります。

Microsoft Officeによる拡張機能はOOXMLとは別の名前空間で記述され、アプリケーションからはMCEの機能で制御されます。これにより、アプリケーションはMicrosoft独自の拡張に対応せずとも、OOXML仕様に準拠していればある程度互換のある文書表示・編集ができるようになります。