PDF/Aとはなにか

更新日: 2008/08/20

PDF/A-1の概要

表題

ISO 19005-1 (2005年9月出版)
Document Management - Electronic document file format for long term preservation - Part 1: Use of PDF 1.4 (PDF/A-1)

概要

PDF/A-1は、PDF 1.4仕様に基づく、電子文書の長期保存用の形式。ふたつの準拠レベルを定義する。

PDF/A-1bは、PDFを表示するときの見栄えがデバイス(機器)や表示ソフトに独立に常に同じであることが保証されることと、メタデータの埋め込みを要求する。これに対して、PDF/A-1aでは、さらにPDF内にドキュメントの論理構造を示すタグがついていることが必要がある。大雑把には、PDF/A-1aとはPDF/A-1bでかつタグ付きPDFである。

なお、一般に、ドキュメントの論理構造は存在しないものから自動的に作成できないので、PDFを出力する前のオリジナル・テキストに論理構造が示されている必要があるだろう。アンテナハウスのXSL Formatter(V4.2以降)は、XSL-FOの論理構造を元にタグ付きPDFを生成できるが、これはXSL-FOの構造をもとにPDFのタグをつけている。PDF/A-1aの出力も可能である。

経過

米国のAIIM他の団体が中心になって、2002年から策定作業を開始、2005年9月にPDF/A-1がISO標準になった。

現在、ISO 19005-2(PDF/A-2)という新しいパートも策定作業中である。PDF/A-2は、PDF1.7仕様にもとづくとされているが、最終的にはISO 32000ベースになると予想される。

PDF/A-1とPDF1.4の関係

PDF1.4をベースとするが、PDF1.3以前に規定されていてPDF1.4で廃止された機能は使えない。また、PDF1.5以降で追加された機能も使えない。

PDF1.4で幾つかの機能は必須(要求項目)である。また、一部の機能を禁止または制限している。次に主な要求項目、禁止項目、制限項目を挙げる。但し、これ以外にも細かな規定が数多くある。

要求項目(PDF/A-1b)

要求項目(PDF/A-1a)

PDF/A-1bの要求項目に加えて次の項目を要求する。

禁止事項(PDF/A-1a,1b共通)

制限事項

注釈やアクションは全て禁止ではなく、一部の機能が禁止されている。

微細な要求

ISO 19005-1では、準拠すべき項目を非常に細かく指定している。例えば、フォントデータ構造のエントリの存在、TrueTypeフォントの符号化への要求などがある。こうした微細な要求を満たしているかどうかは、ソフトウエアを使って適合性をチェックしないと保証できない。

参考資料


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