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おいしい自然:山の幸、キノコ狩り、干し柿づくり

春:山の幸

例年はそこそこ雪が積もる伊那谷ですが、今年は雪も少なく春の訪れも幾分早いようです。
春といえば、山菜採りの季節です。

このあたりは近くの山で、山の幸が沢山収穫できます。

左下にあるのが「山菜の王様」と呼ばれる「タラの芽」で、右下が「ハリギリ」という山菜です。
上に見えているのは「コシアブラ」といいます。

いずれも採りたてを天ぷらにしていただくのが最高です。

最近ではこれらの山菜もスーパーなどで手に入れることができるようになりましたが、採りたての新鮮な山菜は独特の「エグミ」があって、一度味わってしまうと、スーパーで買ったものでは物足りなさを感じてしまいます。

売っているタラの芽は、ちょっとウドに似ているためか、地面から直接タラの芽が出てくる、と思われている方もいると聞いたことがあります。

実際は、こんなふうに生えています(右写真:これはハリギリの木です)。
タラの芽やハリギリは見たとおり棘が多いため、収穫には革手袋が必須です。

タラの芽の収穫には暗黙のルールがあって、一番上にある芽を一番芽といい、これを収穫します。
それ以外の二番芽、三番芽などは採らないでおきます。

これら側芽まで採ってしまうと、その木は立ち枯れしてしまうと言われているためです。
毎年収穫できるように側芽を採るのは我慢しましょう、ということですね。

自粛生活が続きますが、落ち着きましたら、伊那谷を味わいにお越しください。

秋:キノコ狩り

すっかり秋も深まり実りの季節になりました。伊那谷ではきのこ狩りの季節です。
今回は松茸狩りの体験をご紹介いたします(実家の中沢の山です)。

天候不順で伊那谷のきのこも今年(2020年)は不作のようです。写真は 一昨年(2019年)の豊作の年の記念の一枚。香りをお届けできないのが、残念です。

「あみたけ」も採れました。湯がいてお味噌汁でいただきます。

今年の秋は雨がすくなかったので、きのこには良くなかったようです。

松茸は松茸ご飯、すき焼き、土瓶蒸しなど、天ぷらもいいですね。
11月から、霜の降りる前に「こもそう」というきのこも採れます。

こちらも、豊作だった一昨年のものです。すき焼きに入れると大変味がしみて美味しいです。

地物きのこは食べられない毒きのこもありますので、あやしいと思ったら、食べないことをお勧めいたします。

今年は天候不順であまりきのこが豊作でなかったのですが、毎年の秋の楽しみです。

冬:干し柿作り

干し柿というと伊那よりさらに南にある、飯田市周辺で作られる「市田柿」が有名ですが、伊那でも干し柿は作られています。

今回は我が家でも干し柿を作ってみたので、その様子をご紹介したいと思います。

柿の木がある家ではそれを収穫して干し柿作りをしますが、我が家には無いので直売所で柿の実を買ってきました。
こちらの量でおよそ3kgです。

もし皆さんが干し柿用の柿を買うときのポイントですが、実に残された枝がT字型になっているものを選ぶと、干す際のヒモが結びやすいのでおすすめです。
今回私が買った柿の枝は残念ながらT字型ではなかったですが、これでも作ることはできます。

まずはヘタの部分を残して、ひたすら皮を剥いていきます。
特にコツとかはなく、ヘタさえ残せば後は普通に剥くときと変わりありません。

30分ほどかけて、ようやくすべて剥き終わりました。
数えてみると30個ほどありました。

続いて枝の部分にヒモを結んで柿を一連にしていきます。

柿を何個ずつ結んでいくかは人それぞれですが、柿同士がくっつかなければOKです。
そしてこの次が大事な作業です。

鍋にお湯を沸騰させ、そこに柿を10秒ほどくぐらせて煮沸消毒します。
この作業をすることによってカビの発生を防ぎます。

家庭によっては、焼酎などをつかってアルコール消毒をする場合もあるそうです。

そして後は外の雨に当たらない場所に、3週間ほど吊るして完成を待ちます。

渋柿というのは、生だととても食べられないような味がするのですが、干し柿にするととても甘くなる不思議な食べ物です。

伊那の冬はとても寒く農作物が取れにくいので、他にも野沢菜漬けといった保存食や、寒さを生かした寒天作りといった食文化があります。

伊那にお越しの際は、冬の味覚もぜひ味わってみてください。


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