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PDF出力における「しおり」
PDFには「しおり」と呼ばれる機能があります。Acrobat Readerでは「しおり」は、目次を階層化した概観を持っており、項目をクリックすることにより目的の位置へジャンプすることができます。
XSL Formatterでは、しおりを作成したいオブジェクトに axf:outline-level、axf:outline-title 等のプロパティを付加することにより、PDF出力で自動的にしおりを作成することができます。水産物需給
需給バランスと価格の動向
需給バランス
我が国における魚介類の需給規模は,昭和50年代終盤以降拡大傾向にある( 図I-1-1 )。国内消費は,近年の消費者の健康に対する関心の高まり,消費者価格の安定等により増加傾向にある。一方,国内生産は,まいわしの増加等により全体としては高水準にあるものの,食用向けについては,国際漁業規制の強化,近海漁業資源状態の悪化等により50年ごろから横ばい傾向にある。
価格の動向
63年の水産物価格の動向をみると,産地卸売価格指数(60年=100)は,前年に比べ3.4%上昇し97.8であった( 図I-1-2 )。このうち,生鮮品は,水揚量が増加したまあじ,かつお等が低下したものの,製品の国際市況が好転したまいわし,水揚量が減少したまぐろ類等が上昇したため( 図I-1-3 ),前年に比べ3.4%上昇し101.8であった。
水産物消費
63年の家計消費における1人当たりの実質魚介類支出は,5,6月及び10月以降,前年同月比がマイナスとなったものの,年間では2年連続の増加となった( 表I-2-1 , ダウンロード )。また,近年増加傾向にある外食支出,調理食品支出も大きく増加した。元年(1~10月)の動きをみると,食料支出全体が停滞する中で,調理食品支出は増加を続けている。
63年の実質魚介類支出の内訳をみると,生鮮魚介類は,消費者の健康志向,潤沢な供給及び価格の低下に支えられて引き続き増加した。特に,あじ,さんま,さしみ盛合せ,ほたてがい等の購入量が大きく増加している。一方,塩干魚介類は,価格の上昇した塩ざけ,たらこ等の減少から,全体でも減少した。
漁業生産
漁業部門別動向
ア 遠洋漁業
遠洋漁業の生産量は,200海里体制定着の影響を受けつつも,新漁場の開発による公海(いずれの国の200海里水域にも属さない海域)への漁場転換等により,53年以降220万トン前後でおおむね横ばいに推移している。
イ 沖合漁業
沖合漁業の生産量は,資源が増大したまいわしの生産量の増加により,59年まで増加傾向にあったが,60年以降はまいわしの生産量が横ばいとなったことに伴い,高水準ながらおおむね横ばいに推移している。
ウ 沿岸漁業
沿岸漁業(海面養殖業を除く。)の生産量は,近年210万トン前後でおおむね横ばいに推移しており,63年は,まき網漁業によるまいわし等の生産量が増加したものの,船びき網漁業等によるいかなご,刺網漁業によるすけとうだら等の生産量が減少したことから,前年比2%減の211万トンとなった。
魚種別動向
ア 浮魚類
いわし類の生産量は,40年代末から,まいわし資源の増大及び漁船性能の向上に伴って飛躍的に増加し,58年に400万トンを超え,その後伸びは鈍化したものの高水準を維持しており,63年は前年比4%増の481万トンとなった( 図I-3-3 )。
イ 底魚類
すけとうだらの生産量は,60年以降,米国及びソ連200海里水域における我が国漁船への漁獲割当量が大幅に削減され,新たにべーリング公海における漁場が開発されたことから大幅な減少には至っていないものの,漸減傾向にある。
ウ 高度回遊性魚類
まぐろ・かじき類の生産量は,53年以降40万トン台で推移していたが,62年には40万トンを下回り,63年は前年比4%減の37万トンとなった。魚種別の推移をみると,まぐろ(くろまぐろ及びみなみまぐろ)は,資源状態の悪化により57年以降減少傾向にあり,63年は前年比27%減の1万9千トンとなった。
エ 溯河性魚類
さけ・ます類の生産量は,日ソ漁業協力協定に基づく漁獲割当ての削減により北洋における生産量が減少しているものの,ふ化放流による沿岸における生産量の増加により53年以降増加傾向にあり,63年は前年比4%増の16万7千トンとなった。
水域別動向
63年の海面漁業の生産量について,生産水域別の割合をみると,我が国200海里水域が77%,公海が14%,外国200海里水域が9%となっている( 図I-3-4 )。10年前の53年と比較すると,我が国200海里水域が6ポイント,公海が10ポイント増加しているのに対し,外国200海里水域は16ポイント減少している。53年,63年ともに我が国200海里水域の生産量が全体の70%を超えており,我が国200海里水域の生産が海面漁業生産の中心となっていることに変わりはないが,外国200海里水域における生産量の減少は公海における生産量の増加によって相当程度補われていることがわかる。