XSL Formatter ケーススタディ

ASP組版サーバーによる、展示会カタログ制作支援システム

概要

項目

内容

ユーザー 日立インターメディックス株式会社  (http://www.hitachi-imdx.jp)
ライセンスタイプ XSL Formatter V4.3 サーバライセンス(Linux版)
稼動開始時期 2008年3月1日~
開発会社 株式会社エクスイズム(開発協力)

システムとサービスの概要と目的

  • 計測機器カタログの入稿データをDB化して翌年も再利用し易い仕組みを構築する
  • 展示会向けカタログ冊子の省力化、制作効率を高め且つ校正の即時性を実現する

日立インターメディックス株式会社は日立グループの総合印刷会社として、日立グループとして得られる先進のITを駆使し、情報のネットワーク化、デジタル化に力を入れています。

そして、情報のワンソース・マルチユースから、企業の有する情報に新たな価値を付与し、戦力的資産として有効活用するソリューションの提供に積極的に取り組んでおり、とくに近年はコンテンツの電子化を促進した先進的な制作システム構築に力を入れています。

今回事例の「計測機器カタログ」制作支援システムは、DBと連動した組版システムをイントラネットで共有し、遠隔地からのデータ更新、文言修正を製品単位で即時校正できる仕組みと、冊子ページネーションまで連動する自動組版システムをASPサービスとして稼動させました。印刷企業の常として、コスト低減と時間短縮の課題と向き合っていますが、人海作業を極力排除し、ITシステム連携による省力化と品質向上に向けた標準化を進めています。

カタログに掲載する計測機器の製品データをXML化し、XSL-FOによる自動組版を実現する為には、標準化に向け多くの課題を解決して、製品単位の掲載枠(小組)のデザインパターンを統一しました。

それにより、掲載枠単位の校了が製品メーカー毎に確認できれば、あとはページネーションまで一括した自動組版を数分の処理で実現しています。

従来は掲載枠1点ずつの制作と校正に膨大な時間が掛かり、かつページネーションはDTPでの手作業であったため、再校正(全体校正)に神経を費やしていました。

自動組版の仕組み構築に際して、既存のデータベースと連携した組版エンジンにXSL Formatterを採用し、2,000点以上にもなる大量の掲載データ(写真、スペック)を高速にPDF化しています。

紙面再現のスタイル付けはXSL-FOを用い、熟練者によるDTP作業でも標準化が難しかったカタログ冊子の制作処理を高速に実現しています。

XSL Formatter 導入による効果

  • 製品単位の掲載枠(小組)のPDFプレビューが可能になった
  • 何度でも画面から修正し、校正を行うことができて作業効率が向上した
  • 製品シリーズ毎、メーカー毎の組版結果PDFを簡単に作れる機能が実現した
  • 全ての製品枠を面付けする一括ページネーションとPDF化が数分で実現した

XSL Formatterを選定した理由

レイアウト変更頻度が比較的少ない標準化を前提としたカタログで、単品小組PDFの即時プレビューから大量のデータ一括組版にも耐えうる処理速度が得られること、そして高度な組版再現を可能とするXSLTスタイルシートの設計により、小組プレビューで校了済みであれば、改めて入稿データと紙面の再校正は不要になる機能の実現。これらを前提に、柔軟性と汎用性を持つ組版エンジンとしてXSL FormatterとDBシステムを連携することが最適だと考えています。

今後の課題

  • インターネット入稿サイトと直接連携する掲載者向け超高速な組版プレビューの実現
  • 掲載する商品データの再利用サービスの提供。掲載締切を延長する体制づくり
  • 掲載しなかった商品データも含めたDBから、一覧性の高い出力サービスの提供
  • 異なるレイアウトをプレビューし、制作パターンのバリエーションを拡大していく
  • 文字入力、画像添付だけで綺麗に単品掲載枠が作れる安全な仕組みづくり
  • クライアントのアクセス条件を選ばない、環境に左右されないPDFプレビューの提供
  • 印刷カタログ冊子に代わる、将来に向けたWeb配信媒体構築への布石づくり

そして常に進化するコンテンツ配信への更なる要望に、効率化で対応したいと考えています。

また、ユーザーインターフェイスを改善し、CMSと連動した仕組みの構築を将来的な課題とし、企業の情報資産の「Web配信」「PDF提供」「印刷媒体制作」まで、ワンソース化を提案して行きたいと思います。

目次


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