XSL Formatter ケーススタディ

標準文書作成支援ツール

概要

項目

内容

ユーザー 社団法人 情報通信技術委員会 (TTC)   (http://www.ttc.or.jp)
ライセンスタイプ XSL Formatter V4.2 スタンドアロンライセンス(Windows版)
開発時期 2007年12月~2008年3月
開発会社 株式会社エクスイズム&株式会社ウイング

目的

TTCの提案する「標準文書作成支援ツール」とは、XML構造記述をもとに、Microsoft WORD等に依存せずに標準文書のXMLデータが作成できるアプリケーションまたはサービスのことをさします。標準文書は通常厳格に文書構造が規定されていることから、構造規定に沿って必要な入力を進めていけば、ユーザーは一切XMLを意識せずに標準文書=標準文書XMLデータを作成することができます。

またユーザーが文章の内容構成にのみ集中できるように標準文書のXML構造規定を用いながらXMLのタグや構造については意識しなくても利用可能なアプリケーションとしました。

そして標準文書作成支援ツールはXML構造記述を用いることから、ユーザーに対して構造を明確に提示しており標準文書作成時の重要な補助となる。また、構造以外の記述を制限したり認めないように設定することで、厳格な構造を逸脱する危険の抑制が期待できます。

以上の条件を満たす標準文書作成支援ツールの試作と試験的稼働環境を検討しました。

「標準文書作成支援ツール」の概要

標準文書構造に基づいた文章の作成およびプレビューとしては、次のような仕様としています。

画面上は①文書指定エリア、②文書構造エリア、③編集エリア、④プレビューエリアの4領域から構成されます。

②文書構造エリアでは、コンピュータブラウザで一般的に用いられているツリー構造のインターフェイスを用いて、標準文書の構造を表現することで、「標準文書の論理的構造を保ったまま文章作成が可能であること」の条件を満たすようにしています。

プレビューエリアでの作成文書のPDF形式表示の例 (XSL Formatterによる)

プレビューエリアでの作成文書のHTML形式表示の例 (XSLTによる)

プレビューエリアでの標準文書XMLそのままの表示の例

導入による効果

ISO、ITU-Tの議論ではデータベース化に適した標準文書フォーマットとしてXMLが適していることが判明しています。TTCではこの経過を踏まえ、XML構造記述をもとにした標準文書が容易に作成可能な支援ツールを検討し、仕様に準じたツールの試作および利用検証を行いました。とくに標準文書を作成する過程と文章生成を如何に把握できるかに重点を置きました。 この結果、特定アプリケーションに依存せず、ユーザーが直接XMLコードを扱わなくても操作でき、入力・出力が常に把握可能で、標準文書の論理的構造を保ったまま文書作成できるツール作成が実現でき、標準文書のXMLデータが簡単に生成可能であることが実証されました。

XSL Formatterの選定理由

XSL Formatterは入力文書内容に応じたPDF出力を行うために必要なアプリケーションです。印刷レイアウトを高速生成する機能を有し、W3C勧告のXSL1.1にいち早く対応していること及び国際標準として求められる多言語対応であることが採用の理由です。

今後の課題

標準文書XMLデータ作成支援ツールは、あらかじめ定めた構造定義に従って標準文書をXMLデータとして作成します。構造定義を変えることで、ITU-Tをはじめ国内の標準化機関等、複数の文書形式に適用することが可能となるように作られています。そこで、ITU-Tおよび国内の標準化機関等の構造定義にしたがって編集機能を拡張し標準文書XMLデータが作成できるかどうかの検証や実現可能性の調査等が今後の課題となります。

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