XSL Formatter ケーススタディ

研究レポート編集・PDF生成システム

概要

項目 データ
ユーザ名 三共株式会社
ライセンスタイプ XSL Formatter V1 Server LicenseおよびStandalone License
稼動開始時期 2002年9月
開発会社 社内開発

製薬メーカの研究所では年間に非常に多くの研究報告書を作成しますが、新薬の認可申請時などの規制に対応するために研究報告書の作成過程を記録し、報告書を正しく保管管理することが重要な課題です。

三共株式会社では、研究報告書の内容をテキストに近い形で保管するのが良いと考え、研究者が直接XML形式で報告書を書くためのシステムを開発して、運用しています。研究報告を書いている途中で、XML文書を組版したり、さらにできあがったXML文書を組版するためにXSL Formatterが利用されています。

運用

各地の研究所にいる研究者は、本システム用に開発したアウトラインエディタを使ってXML形式で報告を記述します。本文の書き方はHTMLタグをベースにしていて、ブラウザ内の編集コンポーネントを使って編集することで、XMLのタグを意識しないでも文章を作成できるようになっています。こうして作成中の研究報告、完成した研究報告は情報管理センターのデータベースに蓄積されています。

研究報告書は、文書の分量が数ページから10ページ程度のものが中心です。実験の結果などを図、表で表すことが多いので、沢山の図、表を含んでおり、全体では50ページ程度までなることもあります。図はChemDrawを使って化学式を書いて、PNG形式またはJPEG形式にして保存しています。

作成途中の報告書は、研究者の手元のパソコンからの指示でサーバ上のXSL Formatterを使って組版し、Acrobat Distillerのサーバ版を使ってPDF化されます。編集中に手元のパソコンでレイアウトを確認することができます。完成した研究報告書は、情報管理者がスタンドアロンの環境でXSL Formatterを動かして組版、AcrobatでPDF化して、データベースに登録して保管管理します。

報告書には、英語、日本語があり、報告書の表紙用、試作用、本文用、提出用紙などが必要になりますので、数種類のスタイルシートを用意してあり、必要に応じて切り替えて使います。

XSL Formatter の選定理由

同社では、XMLで研究報告を作成するシステムを構築するため、XMLを綺麗に組版するソフトウエアを探していました。そこでW3CのXSL標準に早くから注目していました。

研究報告書用XMLのタグセットは、HTMLをベースに拡張したものなので、XSL-FOに変換するスタイルシートは、XMLからHTMLに変換するスタイルシートを拡張して効率的に作ることができました。

XSL Formatter のV1の段階から導入しており、PDFオプションもなかったため、Acrobatのサーバライセンスを購入してシステムを構築しました。年間数千件の研究報告書を作成していますが、システムが稼動開始してから問題は起きていません。ただし、XSL Formatter が、勧告候補版のためいずれ勧告版に取り替える必要があると考えています。

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