XSL Formatter ケーススタディ

中文電子部品カタログ制作

概要

項目 データ
ユーザ名 加陽印刷株式会社(http://www.kayo.co.jp/
ライセンスタイプ XSL Formatter V3.1クライアントライセンス
稼動開始時期 2004年9月
開発会社 加陽印刷(株)と松下電工(株)制御機器分社の共同開発

加陽印刷株式会社は、松下電工株式会社の制御機器商品カタログの中国語版を制作するにあたり、XSL-FOとXSL Formatterを使用してオンライン公開用のPDF版を作成しました。これにより、カタログ制作期間の短縮とコストの削減の面で多大の効果をあげることができました。

運用

松下電工株式会社制御機器分社は、中国語版オンライン・カタログをHTMLとPDFで公開することを計画しました。掲載する商品は、主にリレー、スイッチなどのデバイス商品です。

これらの商品の日本語版商品カタログ用のデータは、すでにXML形式で蓄積されています。中国語版の制作にあたっては日本語版のXMLデータを活用することになりました。

中国語に翻訳したXMLデータから、HTMLとオンライン版PDFを自動的に作成することを計画しました。作業は次のようなステップで進みます。

  1. 掲載対象商品が決まったところで、日本語のXMLデータを揃えて、翻訳担当会社に中国語への翻訳を依頼します。
  2. 中国語のXMLデータが出来上がったら、これを検証し、画像の日本語を英語に変更します。
  3. 中文XMLからHTMLへの変換プログラムを通してHTMLを生成します。
  4. 同時に中文XMLからXSL-FOに変換して、XSL-FOをXSL Formatterで組版してPDFを自動生成します。
  5. HTML、PDFを松下電工側のサーバに仮アップし、翻訳用語を中心に校正します。
  6. XMLデータの訂正、校正のステップを校了指示があるまで繰り返します。
  7. 校了したらオンライン公開します。

以上のように、オンライン・カタログは、XMLデータからHTMLとPDF版を自動作成します。PDFには文字化けしないようにフォントのアウトラインが埋め込まれていますので、印刷カタログが必要な場合は、これを利用して中国の現地印刷会社が、DTPに取り込んで印刷カタログを作成することができます。 なお、デザイン性を重視した製品については、別途手作りで作業を進めることになっています。

XSL Formatterの選定理由

日本語版の制御機器カタログは、従来より、元データがXML形式で蓄積されていて、XMLデータからHTML版、印刷版カタログ、PDF版を作成しています。日本語の印刷版カタログの制作については、XMLから日本語印刷組版変換プログラムを開発することで自動組版化を実現してきました。

今回、新たに中国語のカタログを作成するにあたり、中文版のXMLからXSL-FOに変換して、PDFを自動作成する方法を採用しました。この理由は、次のようなことです。

  • XSL-FOがW3Cの標準勧告として決まっていて、XSL Formatterが利用できること
  • 新たに中国語印刷組版用の変換プログラムを開発するのは多大なコストがかかる見込みのこと
  • 中国は国土が広大で輸送の問題などがあるため、紙の印刷物よりもPDF版の方が優先度が高いと判断したこと

加陽印刷株式会社では、数年前よりXSL-FOを使った印刷組版技術について調査・研究しており、XSL-FOについての詳しい技術者もいましたので、XMLからXSL-FOに変換するスタイルシートは短期間で開発できました。

XSL Formatter V3.1になり、クライアント版は価格も下がりました。印刷組版レベルのPDFを素早く、低コストで作成できることが実証できました。今回の経験からXSL-FOは、部品カタログ制作には最適な手段と実感しました。今後は、他の製品カタログ制作についてもXSL-FOを積極的に推進していきたいと考えています。

中文電子部品カタログ・ページ見本

中文電子部品カタログ・ページ見本(P1)

中文電子部品カタログ・ページ見本(P1)

中文電子部品カタログ・ページ見本(P2)

中文電子部品カタログ・ページ見本(P2)

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