XSL Formatter ケーススタディ

不動産売買契約関係PDF作成システム

概要

項目 データ
ユーザ名 株式会社ジョイント・コーポレーション(社内情報管理システム) http://www.jointcorporation.co.jp/
ライセンスタイプ XSL Formatter V3.2サーバライセンス (Solaris版)
稼動開始時期 2005年1月
開発会社 株式会社いい生活社( http://www.e-seikatsu.info/

いい生活社は、企業向けのWeb ソリューション提供及びコンサルティングを行っております。特に不動産関連システムに強みを持っており、独自の検索エンジンを組み込んでいることなどで、定評があります。同社は、不動産会社が物件検索サービスのためのサーバに独力で投資しなくても良いように、サーバ機能をASP サービスとして提供しており、既に多くの大手不動産会社に採用されています。

自社専用のサーバを使いたい会社向けには、商品情報管理、顧客情報管理などを含む不動産会社向けの社内情報管理システムの構築も行なっています。今回、いい生活社は大手マンションデベロッパが社内用に使用する、新築マンション販売情報管理システムを開発するにあたり、取引契約書作成など、ダイナミックなPDF作成機能を実現するためにXSL Formatterを採用しました。

運用

いい生活社は、JAVAとXMLをWebシステムの構築のための中核技術として採用しています。「e生活」システムの全体構成は、次の図の通りで、サーバOSにはSolaris9、アプリケーションサーバにはWebLogic7を使っています。XMLの操作やXSLT変換にはJDOM1.0を使用しています。

不動産情報管理システムのアーキテクチャ

今回構築した大手マンションデベロッパ向け社内情報管理システムは次のように利用されています。

新築マンションの部屋毎の販売契約にあたって、販売現場の営業担当者が、顧客と対話しながらWebブラウザのフォームから必要な項目を入力します。入力が終わると、不動産会社のサーバ上にはクライアントから入力されたデータを含んだXMLドキュメントが作成されます。

次に、営業担当者が、Webブラウザのメニューから印刷したい書類や契約書を選択すると、サーバ側でXSL FormatterがダイナミックにPDFを作成して、クライアントに返信します。

販売現場の営業担当者は、PDFを取り出して印刷すると、物件のデータや価格、顧客の氏名などのデータが書き込まれた売買報告書類や合意書をプリントアウトすることができます。契約書の本体はあらかじめ印刷されていますので、PDFから印刷した合意書とセットにして、顧客との契約を完了することができます。

不動産会社のサーバでは販売管理に必要なデータをXMLドキュメントから取り出して、データベース・サーバ(Oracle)に保存されますので、様々な販売管理の統計を作成することもできます。

書類は、合意書、売買契約報告書、解約報告書など11種類で、営業担当者がWebブラウザのメニューから選択すると、XMLドキュメントに、該当するXSLスタイルシートを適用してXSL-FOを生成します。XSL-FOはサーバ上のXSL FormatterでダイナミックにPDF化されて、クライアントに送信されるようになっています。

XSL Formatterの選定理由

PDF化の対象となる書類には、帳票のほかに、顧客との契約書類があります。契約書には、1件毎に物件名、顧客名、価格などのデータが設定されるため、内容が一つ一つ異なります。特に、契約の条文には、括弧(「」)類、句読点(、。)類などのいわゆる約物が多数使われています。発注元の会社から、契約書類は見栄えのよい、正しい組版をしてPDF化することが求められています。

開発の当初、いい生活社の担当者は、オープンソースのアパッチFOPを使うことも検討しましたが、FOPでは禁則処理などの日本語行組版を正しく行なうことができないため、XSL Formatterを採用することに決めました。

このシステムでは、XMLからPDFをダイナミックに作成していますが、XSL Formatterは、XMLからPDFを作成する際の体感速度もFOPの倍くらい速く感じるとのことです。

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