
XSL Formatter V2.5は、XSL-FO の仕様実装水準、多言語組版、GUIに特徴があります。V3は、2003年8月時点では高速組版、大きなサイズの文書の組版、SVGのネイティブ・サポートが特徴です。2004年には、ほぼ全ての項目でV2.5を上回る性能をもつ予定です。
項目 | V2 Windows版 | V3 | 備考 |
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組版速度 | 普通 | 高速(V2.5Mr2に比べて平均してほぼ3.5倍高速) | PDF出力完了までに要する時間は、XMLデータのタイプ、グラフィックスの種類、数により大幅に異なります。実際の測定例は、「 XSL Formatter V2 とV3の組版速度比較データ」の項を参照。 |
一度に組版可能な最大ページ | 4,000ページ程度、全文書オンメモリ処理のためメモリ容量に依存する | 組版・出力処理完了ページを廃棄することで無制限 | Windowsは、メモリRAMが不足すると仮想メモリをハードディスクに設定します。V2は少ないRAMで大きな文書を組版すると速度が大幅に低下します。 |
対話式グラフィック・ユーザ・インターフェイス | あり | なし、Windows版は開発予定 | |
XSL-FO実装度 | 323項目中257項目を実装。実装レベル79%。 | 323項目中231項目を実装。実装レベル71%。 | 音声に関する仕様等があるため、印刷メディアに対しては実装度100%にはなりません。 |
XSL-FO拡張仕様の実装度 | 27項目中26項目を実装済み | 27項目中12項目を実装済み | |
Thai、Hebrew、Arabicの組版とPDF出力 | 可能 | Windows版のみ組版可能、AcrobatのみでPDF化可能。完全対応予定。 | |
Hebrew、Arabicと日本語、英語等の混在の組版 | 可能 | 未対応、開発予定 | |
SVGグラフィックスの処理 | SVGビューア・プラグインでラスター化してPDFに出力する | 独自開発のSVG読み書き機能で、PDFに描画命令を出力する | V2ではSVGをラスター画像化するので出来上がったPDFのサイズも大きくなる。 |
PDF出力エンジン | Version 1 (オプション)。イメージ画像はWindowsへ読み込んでからPDFへ転送。 | Version 2。PDF出力の最適化で、出力するPDFのサイズが小さくなる。画像はソースから直接PDFへ転送する。 | Version 1は、すべてのイメージ画像をWindowsへ読み込む際に、BMP化する。 |
項目 | V2 Windows版 | V3 Windows版 | 備考 | |||
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所要時間 | PDFのサイズ | 所要時間 | PDFのサイズ | |||
テキスト+表、500ページ | 1回目 | 216秒 | 2,683KB | 112秒 | 1,867KB | 2回目は1回目の直後に実行。2回目の処理時間が短いのは、プログラムとデータがRAMにのるため。次のテスト項目も同じ。 |
2回目 | 206秒 | 103秒 | ||||
テキスト+表+SVG、500ページ、1,000個のグラフィックス | 1回目 | 1,720秒 | 88,663KB | 147秒 | 3,200KB | V2では、SVGをラスターイメージ化して、オン・メモリで処理するため、約740MBのメモリを使用する。PCのRAMは256MBなので、ハードディスク上の仮想メモリを使うことから処理速度が大幅に低下している。このテスト用PCで1,000個のSVGを扱うのは不適切なのである。V3ではこの問題が解消される。V3で1回目と2回目の所要時間の差が大きいのは、1回目は1,000個のSVG読み込みのハードディスク・アクセスのためCPU使用率が100%にならないが、2回目はCPU使用率100%になる。 |
2回目 | - | - | 118秒 |
上のテスト結果は一例です。処理速度は組版するデータと使用するPCのCPU速度、RAMの容量により大幅に異なりますのでご注意ください。
上の表のテスト環境