組版結果の自動分析 V7.0

AH Formatter V7.0は、組版したエリアツリー内のさまざまな組版上の問題を自動的に検出できます。検出された問題を解決するには、通常、編集上または体裁上の変更が必要です。両方の変更が必要な場合もあります。

AH Formatter V7.0のコマンドラインインターフェイスで -analyze を指定して分析を有効にします。検出された問題はエラー情報を出力して報告されます。検出された問題を視覚的にエリアツリーXMLに注釈付けする XSLTスタイルシートは、GitHubの https://github.com/AntennaHouse/analysis-utility で入手できます。入手したXSLTスタイルシートの改変は自由ですがサポート対象外となります。

英語を含め言語には、それぞれ組版文書の体裁上の規則があります。規則の起源は読みやすさや、美しさ、商用的理由、あるいはこれらの組み合わせにあるのかも知れません。ほとんどは、特に根拠もなくちょうどよい体裁であると考えられています。組版や本のデザインに関する書籍は通常、一般的に起こり得る問題を扱っていますが、参考文献でさえ問題とみなされるケース、問題とみなされる基準、さらには問題について説明するための用語さえも異なります。

Analyzers

オプション設定ファイルで個別に有効または無効にできる分析項目は以下のとおりです。

巻末の空白ページ

この自動分析機能は、空白ページの数がオプション設定ファイルのend-blank-pages-limitで指定した値を超えるとレポートを出力します。

書籍の印刷および製本上、書籍は 8、16、32 またはそれ以上のページの倍数である必要があります。force-page-countプロパティの拡張により、AH Formatter V7.0でこれが可能になりました。ただし、要件を満たすためだけに force-page-count が文書の最後に空白のページを作成する場合があります。空白のページは、コストがかかるばかりで出版社にとって利点はありません。

ハイフンで終わる連続する行

この自動分析機能は、ハイフンで終わる連続する行の数がオプション設定ファイルのhyphen-limitで指定した値を超えるとレポートを出力します。

ハイフンで終わる連続する行が多過ぎると、読み手がその行を読み飛ばしたり、同じ行を2回読んでしまう可能性が高くなります。The Chicago Manual of Style (17th edition) と The Elements of Typographic style は、ハイフンで終わる行の連続は三つまでに抑えることを推奨しています。

AH Formatter V7.0は、ハイフンで終わる連続する行の数を自動的に制限するために、XSL 1.1 のhyphenation-ladder-countプロパティを実装しています。CSSについては、GCPMの初期ドラフトから同様のhyphenate-linesを実装しています。ただし、適切なプロパティが設定されているか、AH Formatter V7.0で自動的に行を調整する前に行を確認することをお勧めします。

注意: この自動分析機能は、右から左方向に書く言語のブロックでは無視されます。

同じ単語が行頭や行末で連続する行

この自動分析機能は、同じ単語で始まる連続する行の数がオプション設定ファイルのline-start-repeat-limitで指定した値を超えるか、同じ単語で終わる連続する行の数がオプション設定ファイルのline-end-repeat-limitで指定した値を超えるとレポートを出力します。

これは、ハイフンで終わる複数の連続する行の問題に似ています。同じ単語で始まる複数の連続する行、または同じ単語で終わる行は、読み手がその行を読み飛ばしたり、同じ行を2回読んでしまう可能性が高くなります。The Chicago Manual of Style (17th edition) では、同じ単語で開始または終了する行の連続は三つまでに抑えることを推奨しています。Book Typography は同じ単語で終わる複数の行に対して警告していますが制限を設けておらず、同じ単語で始まる行については言及していません。

ページウィドウ

この自動分析機能は、ブロックの最後の短い行がページまたは段の最初の行として組版されたときにレポートを出力します。オプション設定ファイルのpage-widow-limit-emまたはpage-widow-limit-percentで指定した値のいずれかより短い場合、行は短か過ぎると判断されます。

widowsは、ページの上部に残す必要がある段落の行数を制御するXSLおよびCSSプロパティの名前です。

段落ウィドウ

この自動分析機能は、ブロックの最後に短い行があるときにレポートを出力します。オプション設定ファイルのparagraph-widow-limit-emまたはparagraph-widow-limit-percentで指定した値のいずれかより短い場合、行は短か過ぎると判断されます。

widowsは、ページの上部に残す必要がある段落の行数を制御するXSLおよびCSSプロパティの名前です。

不均衡な見開きページ

この自動分析機能は、見開きの左ページと右ページの対応する本文領域のテキストの長さが異なる場合にレポートを出力します。

見開きの左ページまたは右ページのいずれかがページシーケンスの最後のページである場合、見開きはチェックされません。

Error Message Format

エリアツリーの分析によるエラーメッセージには、エラーに関するメッセージとエラー箇所の表示のうち一方または両方が含まれる場合があります。XMLによるエラーの一般的なXML形式は次のとおりです。

<error level="1" code="45959">
Message
location:: page: 3; ax: 18; ay: 242; bx: 191.764; by: 270;
</error>

エラー箇所

エラー表示領域は、エリアツリーの単一の領域に常に対応するとは限らないことに注意してください。

参考文献