XSL Formatterの応用
XSL-FOの仕様は現在策定中のもので、まだ新しい仕様です。また、弊社のXSL Formatterも発売してからまだ間も無いことなどから、今後どのような方向で市場が成長して行くかははっきり見極めがついている状態ではありません。現時点では、まだ応用分野をはっきり申し上げる段階ではないですが、幾つかの可能性を上げてみたいと思います。
(1)XMLコンテンツがあること
- 印刷しようとするコンテンツがXMLで表現されていれば、それにあったXMLスタイルシートを作成することにより、印刷できるようになりますので好都合です。
- 一方、XMLコンテンツに適していないものをわざわざXML化するのは、そのために経費がかかりますし、さらにスタイルシートを作成するコストがかかりますので、XSL-FOにして印刷するということは意味がないと思います。
- 現在の印刷のワークフローにおいて、最初にXMLのコンテンツがあるケースは少ないと思いますが、将来はコンテンツを最初からXMLで作成するケースが増えてくると予想されます。それは、よく言われているようにXMLコンテンツの方が、Web出版、CD-ROM、その他の電子媒体で配布するための処理が簡単に、低コストでできます。そうしたXMLコンテンツが増えれば、XSL Formatterの必要性が高まります。
(2)データベースとの連携によるダイナミックな組版
- データベースから必要なデータを検索して、XMLデータとして取り出し、それをダイナミックに組版して情報提供する。これは、XML-FOによる組版を使うメリットを最大限に生かす事ができる分野と考えられます。
(3)サーバ上で帳票などを大量に組版する
- 現在の引き合い等からは、XSL Formatterは、従来のドキュメントの印刷分野よりも、むしろ帳票などの組版と印刷に使われるかもしれません。今後、インターネットを通じて交換される帳票のデータはXMLで表現するという方法が主流になる見込みです。この際、帳票を奇麗にレイアウトして印刷するためのシステムが必要となります。帳票のデータをデータベースに蓄積するだけではなく、ページにレイアウトしてPDF等で交換するというニーズも高まっているようです。むしろ、XMLの自動組版はドキュメントよりもこのようなXMLデータの組版に使われる可能性も大きいと思われます。XSL-FOによる帳票印刷は、今後、1年以内に実際の製品が市場に現れると予想しています。