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『書けまっせ PDF5 プロフェッショナル』では、テキストボックスの値(数字)を計算して表示する計算機能があります。
下図はテキストボックスに式を設定した画面です。テキストボックスにはそれぞれ「オブジェクト名」を持っています。図では赤色に塗りつぶされた四角の中に書かれています(「T20」など)。
画面の右側にはテキストボックス「T24」のプロパティ(情報)を表示しています。プロパティの[式]の欄に計算式を入力します。テキストボックス「T24」には、「T20」と「T21」、「T48」の値にそれぞれの金額を掛けた合計を表示する式が設定されています。
(T20×7800)+(T21×6780)+(T48×23520) ⇒ T24
プロパティの[式]の欄には「式入力支援」ダイアログを表示するボタンがあります。
式入力支援ダイアログでは、マウスを使って式を入力することができる他、計算結果の検証ができます。また、式で使用できる関数の一覧から関数の説明を表示したり、関数を式に挿入することができます。
下記の表は式に使用できる関数の一覧です。
関数名 | 書式 | 引数 | 返値 | 説明 |
---|---|---|---|---|
AVG | AVG(値1, 値2,...) | 数値1, 数値2...(複数指定可) | 平均値 | 指定された引数の平均値を返します。 |
SUM | SUM(値1, 値2,...) | 数値1, 数値2...(複数指定可) | 合計値 | 指定された引数の合計値を返します。 |
MIN | MIN(値1, 値2,...) | 数値1, 数値2...(複数指定可) | 最小の値 | 指定された引数に含まれる最小の数値を返します。 |
MAX | MAX(値1, 値2,...) | 数値1, 数値2...(複数指定可) | 最大値 | 指定された引数に含まれる最大の数値を返します。 |
TODAY | TODAY() | なし | 現在の日付を示すシリアル値 (1900/1/1 = 1) | 現在の日付を示すシリアル値を返します。 |
NOW | NOW() | なし | 現在の時刻を示すシリアル値 (00:00:01 = 0.00001) | 現在の時刻を示すシリアル値を返します。 |
DATE | DATE(文字列) | 日付文字列 【例】"2007/1/17" |
日付のシリアル値 (1900/1/1 = 1) 【例】DATE("2007/1/17") = 39099 |
指定された日付文字列から日付を示すシリアル値を返します。 |
TIME | TIME(文字列) | 時間文字列 【例】"10:30:00" |
時刻のシリアル値 (00:00:01 = 0.00001) 【例】TIME("10:30:00") = 0.4375 |
指定された時刻文字列から時刻を示すシリアル値を返します。 |
YEAR | YEAR(値) | 年を示すシリアル値 | 年 (1900 ~ 9999 の範囲の整数) | 指定されたシリアル値に対応する年を返します。 |
MONTH | MONTH(値) | 月を示すシリアル値 | 月 (1 ~ 12 の範囲の整数) | 指定されたシリアル値に対応する月を返します。 |
WEEKDAY | WEEKDAY(値, 種類) | 日付を示すシリアル値, 種類(1~3)[省略可] | 曜日を示す整数 | 指定されたシリアル値に対応する曜日を示す数値を返します。 種類が、 1のとき 1 (日曜) ~ 7 (土曜) の範囲の整数 2のとき 1 (月曜) ~ 7 (日曜) の範囲の整数 3のとき 0 (月曜) ~ 6 (日曜) の範囲の整数 |
DAY | DAY(値) | 日付を示すシリアル値 | 日 (1 ~ 31 の範囲の整数) | 指定されたシリアル値に対応する日を返します。 |
HOUR | HOUR(値) | 日付と時刻を示すシリアル値 | 時間 (0 ~ 23 の範囲の整数) | 指定されたシリアル値に対応する時間を返します。 |
MINUTE | MINUTE(値) | 日付と時刻を示すシリアル値 | 分 (0 ~ 59 の範囲の整数) | 指定されたシリアル値に対応する分を返します。 |
SECOND | SECOND(値) | 日付と時刻を示すシリアル値 | 秒 (0 ~ 59 の範囲の整数) | 指定されたシリアル値に対応する秒を返します。 |
PAGE | PAGE( ) | なし | 現在のページ番号 | 現在のページ番号を返します。 |
TOTALPAGE | TOTALPAGE( ) | なし | 総ページ数 | 総ページ数を返します。 |
MOD | MOD(数値, 除数) | 数値, 除数 | 剰余 【例】 MOD(22, 3)=1 MOD(22.5, 3)=1.5 |
数値を除数で割ったときの剰余を返します。 |
ABS | ABS(数値) | 数値 | 絶対値 【例】 ABS(-3)=3 ABS(3)=3 | 数値を絶対値にします。 |
INT | INT(数値) | 数値 | 小数点以下を切り捨てた整数 【例】 INT(20.111111)=20 INT(20.999999)=20 |
数値を小数点以下を切り捨てて整数にします。 |
ROUND | ROUND(値, 桁数) | 数値, 桁数 | 四捨五入した結果の値 ROUND(2.15,1) = 2.2 |
数値を四捨五入して指定された桁数にします。 |
ROUNDDOWN | ROUNDDOWN(値, 桁数) | 数値, 桁数 | 切り捨てした結果の値 ROUNDDOWN(2.15,1) = 2.1 |
数値を指定された桁数に切り捨てます。 |
ROUNDUP | ROUNDUP(値, 桁数) | 数値, 桁数 | 切り上げした結果の値 ROUNDUP (2.13,1) = 2.2 |
数値を指定された桁数に切り上げます。 |
T | T(値) | 値 | 文字列 【例】 T("abc")="abc" T(123)="" |
指定された値に応じた文字列を返します。 指定された値が文字列のときは、そのまま指定された文字列を返します。 指定された値が数値のときは、空文字列を返します。 |
LEN | LEN(文字列) | 文字列 | 文字数 【例】 LEN("abc")=3 LEN(12345)=5 |
指定された文字列の文字数を返します。 数値の場合にも暗黙に文字列に変換します。 |
TRIML | TRIML(文字列) | 文字列 | トリミングされた文字列
【例】 TRIML(" abc")="abc" |
指定された文字列の先頭からスペース、タブ、改行文字を削除します。 |
TRIMR | TRIMR(文字列) | 文字列 | トリミングされた文字列
【例】 TRIMR("abc ")="abc" |
指定された文字列の行末からスペース、タブ、改行文字を削除します。 |
RANK | RANK(数値, 範囲, 順序) | 数値, 範囲, 順序(0 = 降順, 1 = 昇順) | 順位を示す値
【例】差込フィールド(表) RANK(E2.b2, E2.b1:E2.b5, 0)=3 |
順序に従って範囲内の数値を並べ替えたとき、数値が何番目に位置するかを返します。 |
COUNT | COUNT(範囲) | 範囲 | データ個数
【例】差込フィールド(表) COUNT(E2.b1:E2.b5) |
指定された範囲のオブジェクトに含まれる空白以外のデータ個数を返します。 |
COUNTBLANK | COUNTBLANK(範囲) | 範囲 | データ個数
【例】差込フィールド(表) COUNTBLANK(E2.b1:E2.b5) |
指定された範囲のオブジェクトに含まれる空白データの個数を返します。 |
IF | IF(式1, 式2, 式3) | 条件式, 式(真の場合),式(偽の場合) | 指定された式を判定する。 IF(t1=t2, t3, t4) IF(t1=PAGE(), 今日, 昨日) |
論理式の評価結果が真のときは第2引数で指定した値、偽の場合は第3引数で指定した値となります。 |
SUMIF | SUMIF(条件範囲, 条件, 合計範囲) | 条件範囲, 条件式を示す文字列, 合計範囲(省略不可) | 合計値
【例】差込フィールド(表) SUMIF(E2.a1:E2.a5, "=AAA", E2.b1:E2.b5) この例は、条件範囲に表a1~a5を指定して、条件となる式"=AAA"を満す対応された合計範囲の表b1~b5内の合計値が返る。 |
条件を満たす範囲内の値の合計値を返します。 条件範囲と合計範囲の指定にはデータ数を揃える必要があります。 また条件範囲と合計範囲を同じにすることができます。 |
COUNTIF | COUNTIF(範囲, 検索条件) | 範囲, 検索条件を示す文字列 | データ個数
【例】差込フィールド(表) COUNTIF(E2.a1:E2.a5, "AAA") この例は、条件範囲に表a1~a5を指定して、検索条件となる文字列"AAA"の個数をカウント。 |
検索条件を満たす指定された範囲のデータ個数を返します。 |
CONTAINS | CONTAINS(文字列, 検索文字列) | 文字列, 検索文字列 | 真(1)か偽(0)
【例】 CONTAINS("ABC", "A")=1 CONTAINS("ABC", "X")=0 CONTAINS(199,99)=1 |
指定された文字列内に検索文字列が含まれる場合に真(1)を返します。 含まれない場合に偽(0)を返します。 数値が指定された場合には、暗黙に文字列に変換して検索を行います。 |
AND | AND(論理式1, 論理式2...) | 論理式1, 論理式2... | 真(1)か偽(0)
【例】 AND(E2.a1="AAA", E2.b1=999) E2.a1に"AAA"かつE2.b1に999が入っていれば1を返し、いずれかが違っていれば0を返す |
指定された複数の条件が全て真かどうか判定します。 |
OR | OR(論理式1, 論理式2...) | 論理式1, 論理式2... | 真(1)か偽(0)
【例】 OR(E2.a1="AAA", E2.b1=999) E2.a1に"AAA"またはE2.b1に999が入っていれば1を返し、いづれも違う場合には0を返す |
指定された複数の条件のうち、どれか一つが真かどうか判定します。 |
NOT | NOT(論理式) | 論理式 | 真(1)か偽(0)
【例】 NOT(E2.a1="AAA") E2.a1に"AAA"が入っていれば0を返し、違う場合には1を返す |
指定された論理式の結果が真の場合には偽を返し、偽の場合には真を返します。 |
「式入力支援」ダイアログの[式]欄や「プロパティ」ペインにある「テキスト」項目の[式]欄には、次の例のような式を入力することができます。
入力例 | 表示 | 解説 |
---|---|---|
"テスト" | テスト | 文字として表示したい場合は「"」で文字列を囲みます。 |
1+1 | 2 | 計算式を入力し、その結果(評価)を表示します |
1+-2 | -1 | 同上 |
AVG(T1:T5) | 6 | テキストボックスのT1からT5の平均(関数を使用) |
SUM(E1.a1:E1.c3,T1,T3) | 256 | テキストボックスのT1とT3および差込フィールド(表)のE1.a1からE1.c3までの合計(関数を使用) |
差込フィールドについては差込機能、コマンドラインで説明します。
テキストボックスや差込フィールドの値と計算値(表示)は参考です。
Excelなどのように式の先頭に「=」を入力することもできますが、『書けまっせPDF5』では先頭に書かれた「=」は意味がないため無視します。