PDF Viewer SDK の意義について

更新日: 2010/09/13

はじめに

アンテナハウスでは、PDF表示機能をもつライブラリーとして、PDF Viewerを独自開発しています。そして、アプリケーションにPDF表示機能を組み込みたいと考えているソフトウェア開発者向けにPDF Viewer SDKを提供しています。

PDFは、Adobeが無償で配布しているAcrobat Readerで表示することができます。AdobeのWebページによると、Acrobat Readerは1994年より配布が始まり、全世界で5億本が配布されたといわれています。

PDFを表示できるソフトが無償で配布されていて、しかも、こんなにポピュラーになっているのに、わざわざ独自にPDFを表示するソフト(PDF Viewer SDK)を開発する意味があるのでしょうか?また、そのようなことをして、はたしてビジネスとして成立するのでしょうか?だれでもそんな疑問をもつと思います。

そこで、次にアンテナハウスが考えている、PDF Viewer SDKを提供する意義を簡単に説明します。

PDF Viewer SDKの意義

PDFの編集ソフト、注釈付加ソフト開発の基盤技術として

PDFは、おそらくHTMLについで普及したファイル形式でしょう。特にビジネスの分野では日常的に極めて大勢の人が利用しています。一般に、PDFは読むことができるだけで、PDFの内容を編集したり、あるいは、入手したPDFに注釈をつけるのは、普通は、無償のAcrobat Readerのみでは実現できません。有償のAcrobatが必要となります。

従って、有償のAcrobatよりも使いやすく、安価なPDF編集、注釈付加などを行なうソフトを多くの人が望んでいることでしょう。

PDFに注釈などをつけるソフトを開発するには、PDFの表示機能が必須です。PDFを表示することができなければ、どこを編集するか、あるいはどこに注釈をつけるかの指定もできないからです。従って、このようなことをするアプリケーション・ソフトウェアやシステム・ソリューションには、PDFを表示するための機能が必須となります。

PDFの表示にはAcrobat Readerを使用すれば良いじゃないか?そうして、Acrobat Readerで表示しながら、自分で開発したアプリケーションで、PDFの編集や注釈付けを行なえばいいじゃないか、と考えるかもしれません。

これは、Acrobat Readerと連携して動くPlug-inを使用して開発することによって、技術的には可能でしょう。しかし、Acrobat ReaderのPlug-inを開発するには、Adobeと契約してライセンスを得る必要があります。これについて、Adobeは、「(有償の)Acrobatと実質的に同等以上の機能をAcrobat Readerに付加するようなPlug-inの開発」を禁止しています。

無償のAcrobat Readerを使用して有償のAcrobatと同等(以上)の機能を開発するのを禁止するのは、ビジネスとしては当然のことと思います。そこで、Acrobat Readerに代わって、アプリケーションやシステムに組み込むことができ、しかも、Adobeが許可していないことを行なう基盤となるPDF表示ソフトに一つの存在意義があると言えるでしょう。

ここに説明したこと以外にも、Actobat ReaderのPlug-inの禁止事項は幾つかあります。なお、これらはAdobeの考え方次第ですので、Adobeのビジネスの展開によって今後も変化する可能性があることに注意してください。

PDFの暗号化、セキュリティ、電子著作権管理ソフトの開発に

Acrobat Readerを含む、暗号化文書あるいは承認済み文書の交換・配布のサービスを開発するには、Adobeの特別な許可が必要です。

また、電子著作権管理のサービスまたはテクノロジー(DRM)によって、文書のコンテンツにアクセスしたり、表示を管理するAcrobat ReaderのPlug-inソフトを開発するには、Adobeの特別な許可を得た上で、最低3万5千ドル(約400万円以上)のライセンス料金をAdobeに支払う必要があるとされています。

今後は、セキュリティ関係、あるいは、DRM関係でPDFを使用する機会がますます増えると予想されます。しかし、Adobeもこれらの分野でのビジネスを強化しています。Adobeが自社のビジネスと競合する分野に無償のAcrobat Readerを自由に使用することを認めない、あるいは、高額のライセンス料を徴収するのは、自然な行為でしょう。

こうしたことから、Adobe以外のソフトウェア・ベンダがPDFを上に述べた用途に自由に利用できるようにするためには、Acrobat Readerに匹敵するPDF表示ソフトが第三者から提供される必要があります。アンテナハウスのPDF Viewer SDKのいま一つの意義がここにあります。

Acrobat ReaderのPlug-in開発のライセンスについて

AdobeのWebページによると、AdobeのAcrobat Readerは普通、他のアプリケーションとの連携を前提とした利用はできず、単独のアプリケーションとして使用することになっています。他のアプリケーションとの連携のためにPlug-inを開発するにはAdobeからライセンスを取得することが必要です。Arcobat ReaderのPlug-in開発のライセンスについては、次のAdobeのWebページで説明されています。

Adobe Reader (Acrobat Reader) プラグインの開発について(日本語)
http://support.adobe.co.jp/faq/qadoc/spitz.nsf/0/fe07f071b3d81de849256c0100194793?OpenDocument
Reader Integration Key License Program(英文)
http://partners.adobe.com/public/developer/acrobat/reader/topic_ikla.html
Adobe Reader (Acrobat Reader) プラグインとして実装することができない機能について(日本語)
http://support.adobe.co.jp/faq/qadoc/spitz.nsf/1c45098472b9fdf2492569fa002ba1f1/212a47e887b2bb9049256c2b001d8cf5?OpenDocument

【ご注意】
本Webページで述べたことは、Adobeの考え方を説明するものではなく、また批判する意図でもありません。アンテナハウスが考えている我々の大義名分とビジネス機会を述べているに過ぎません。

参考資料

詳細は

アンテナハウスでは、PDF Viewer SDKの表示機能を次の製品に組み込んでいます。

「PDF Viewer SDK V3.0」

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