フォント

ここでは、AH Formatter V6.5 がサポートしているフォントと、それらのフォントの使い方などを説明します。また、各フォントに対する一般的な考慮点についても記述します。これらは、主に 非Windows版のための情報です。Windows版では、インストールされているフォントを特に意識せずにそのまま利用できます。

フォント構築ファイル は、フォント環境を細かく設定するためのものです。インストール時に初期状態のものが作成されていますが、非Windows版では、ご自身のフォント環境に合わせて設定する必要があります。Windows版では、多くの場合そのままでも問題ないでしょう。

AH Formatter V6.5 は、外字(EUDC) にも対応しています。

PDF出力でのフォントの扱いについては、PDF出力フォント出力を参照してください。
PostScript出力でのフォントの扱いについては、PostScript®出力フォント出力を参照してください。
INX出力でのフォントの扱いについては、INX出力フォントを参照してください。
XPS出力でのフォントの扱いについては、XPS出力フォント出力を参照してください。

サポートされるフォント

AH Formatter V6.5 は、以下の種類のフォントに対応しています。

注意: 同一ディレクトリ内に、異なる種類のフォントで、ファイル名やフォントファミリ名が同じものが混在している場合、そのどちらが採用されるのかは不定です。また、動作に支障を来たす恐れもありますので、そのような混在は避けてください。

フォント構築ファイル

AH Formatter V6.5 のフォント環境を設定するには、フォント構築ファイルを作成する必要があります。

フォント構築ファイルは、単純な構造のXMLファイルで、非Windows版では通常 [Install directory]/etc に、Windows版では [Install directory] に置かれます。

フォント構築ファイルは、環境変数 で指定しておかなければなりません。 デフォルトでは font-config.xml という名前で設定されています。

フォント構築ファイル内で、もっとも重要な要素は <font-folder> です。 非Windows版で、PDFの基本14フォントより多くのフォントを使用したい場合は、特定のディレクトリの下にフォントファイルを用意し、フォント構築ファイルに <font-folder path="..."> 要素を追加します。

AH Formatter V6.5 は自動的に <font-folder path="..."> で指定されたディレクトリの中のフォントファイルを検出します。たいていの場合(いくつかの例外がありますが)、それぞれのフォントファイルすべてをフォント構築ファイルに記述する必要はありません。

Windows版では通常Windowsのフォントディレクトリにインストールされているすべてのフォントが利用できるように設定されています。AH Formatter V6.5 は、利用可能なフォントの情報を起動時に読み込みます。つまり、フォントが大量であればあるほど、わずかですが時間がかかりるようになります。これは、小さい文書を組版するときに、組版の時間よりもフォントの初期化の時間の方がかかってしまうことを意味します。大きい文書では、フォントの初期化は無視できる時間でしょう。 フォントの初期化の時間を節約するためには、利用できるフォントを減らします。その方法には、次の 3通りがあるでしょう。

  1. Windowsのフォントディレクトリにインストールされているフォントを減らす。
  2. フォント構築ファイルで、Windowsのフォントディレクトリ中の利用しないフォントを font-exclude で列挙する。
  3. 必要なフォントだけを置いたディレクトリを別に用意し、フォント構築ファイルでそのディレクトリだけを指定する。

現実的な解決策は、おそらく3.の方法です。例えば、C:\MyFonts というディレクトリに使いたいフォントを置き、次のようなフォント構築ファイルを用意します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<font-config windows-registry="disable">
  <font-folder path="C:\MyFonts"/>
</font-config>

ここに、Windowsのフォントディレクトリの指定が含まれないことに注意してください。このフォント構築ファイルを環境変数で指定します。

Macintosh版でも、初期のフォント構築ファイルにシステムのフォントディレクトリが含まれています。必要ならば同様に調整するとよいでしょう。

初期のフォント構築ファイル

以下は、初期のフォント構築ファイルです。AH Formatter V6.5 非Windows版をインストールすると、このファイルが [Install directory]/etc にインストールされます。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<!-- DOCTYPE font-config SYSTEM "font-config.dtd" -->
<font-config otf-metrics-mode="typographic">
  <!-- add your font folder here -->
  <!-- font-folder path="/home/user-name/fonts" -->
  <!-- /font-folder -->
  <font-folder path="[Install directory]/fonts">
    <font-entry file="ZapfDingbats.afm"
          glyph-list="ZapfDingbats-glyphname.txt"/>
  </font-folder>
</font-config>

AH Formatter V6.5 Windows版では、次のようなフォント構築ファイル[Install directory] にインストールされます。ここに、[System font directory] には、Windowsのフォントディレクトリが設定されます。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<!-- DOCTYPE font-config SYSTEM "font-config.dtd" -->
<font-config
    otf-metrics-mode="typographic">
  <!-- add your font folder here -->
  <font-folder path="[System font directory]">
  </font-folder>
</font-config>

Windows版では、フォント構築ファイルが存在しないときは、この内容のフォント構築ファイルが仮定されます。

フォント構築ファイルの要素と属性

以下は、フォント構築ファイルの要素と属性の概略です。

要素 位置 属性 既定値 説明
<font-config> ルート要素 otf-metrics-mode typographic

TrueTypeまたはOpenTypeで、メトリクス情報の評価方法を指定します。

  • "windows" を指定すると、V4.2までと同等な旧来の方法で評価をします。
  • "typographic" を指定すると、新しい方法で評価をします。

空を指定した場合、または省略した場合は、"typographic" が指定されたとみなされます。またオプション設定ファイルuse-windows-api="true" が指定されているときは、"windows" が指定されているとみなされます。

V4.2までの古い方法は、仮想ボディの位置決めが正しくなく、リュウミンなどのフォントが下寄りに表示されるという不具合があります。新しい方法ではそれが解消されましたが、フォントによっては古い方法とベースラインが若干異なることがあります。和欧混植のような場合、line-height にも影響します。このような非互換性を避けたいときは、"windows" を指定してください。

use-preferred-family true

TrueTypeまたはOpenTypeで、フォントファミリ名に、NameID=16の情報を利用するかどうかを指定します。

windows-registry enable

Windows版のときのみ有効で、外字情報をWindowsのレジストリから求めるかどうかを指定します。値が "enable" ならレジストリを参照し、"disable" なら参照しません。

<font-folder> <font-config> の子要素 path

"path" 属性で、フォントフォルダを指定します。

<font-folder path="/home/user-name/fonts">
  ....
</font-folder>

この要素はいくつでも指定できます。

recursive false true を指定すると path で指定されたフォルダに含まれるサブフォルダ内も検索します。
<font-entry> <font-folder> の子要素 file

"file" 属性で指定したフォントファイル(ベースファイル名、ワイルドカード不可)に各種属性を与えます。

glyph-list

"file" 属性で Type1フォントが指定されたとき、そのフォントのグリフリストファイルを指定します。 グリフリストには、Type1 フォントのUnicodeとグリフ名の対応付けのルールを定義します。

skip-glyphname-mapping true

"file" 属性で Type1フォントが指定されたとき、フォントの、Unicodeとグリフ名、またはUnicodeと文字コードの対応付けを行うかどうかを指定します。 "false" なら対応付けを行い、"true" なら行いません。

font-exclude false

"file" 属性で指定されたファイルを無視するかどうか指定します。 "true" なら無視し、"false" なら無視しません。無視が指定されたときは、そのフォントファイルは処理されません。

unicode-range

"file" 属性で指定されたファイルに対して、適用するUnicodeの範囲を指定します。指定は次の書式で行います。

<urange>{, <urange>}*

<urange> は、"U+" が先行する16進数で、次のいずれかです。大文字小文字は区別されません。

  • 単一のコードポイント(例えば U+416)
  • 範囲を示すコードポイント(例えば U+400-4FF)
  • "?" が後行する範囲指定(例えば U+4??)

U+4?? は、U+400-4FF と等価です。U+??? は、U+000-FFF と等価です。 有効なUnicodeは、U+10FFFFまでです。 それより大きな範囲を指定しても無視されます。 unicode-range が指定されなかったときは全範囲 U+0-10FFFF とみなされます。

font-size-adjust 1

"file" 属性で指定されたファイルのフォントサイズを調整します。例えば、font-size-adjust="1.05" と指定したとき、FO中で指定されたサイズより、1.05倍されたサイズで出力されます。指定は、"105%" のように%値で行うこともできます。

baseline-adjust 0

"file" 属性で指定されたファイルのベースラインを調整します。例えば、baseline-adjust="0.1" と指定したときは、FO中で指定されたベースラインにこの値が加算された位置に調整されます。指定は、"10%" のように%値で行うこともできます。

<font-alias> <font-folder> の子要素 file

フォントファミリ名の別名の定義を指示します。 "file" 属性で対象となるフォントファイル(ベースファイル名、ワイルドカード不可)を指定します。 Type1 フォントは、拡張子 .AFM または .PFM を持つフォントファイルを指定します。TrueType または OpenType フォントでは、拡張子 .TTF または .TTC または .OTF を持つフォントファイルを指定します。 "entry" 属性には、.TTC(TrueType Collection)ファイル内の、フォントの番号を指定します。これは、1以上の整数値でなければなりません。 "entry" 属性を省略したときは1とみなされます。.TTC 以外では指定しても無視されます。

<font-alias file="simsun.ttc" entry="1">
  ....
</font-alias>

別名の定義は、この要素内に <alias> 要素を列挙します。 この要素はいくつでも指定できます。

entry
<alias> <font-alias> の子要素 family-name

<font-alias file> で指定されたフォントに対する別名を定義します。 別名情報は、 "family-name" 属性、 "weight" 属性、 "italic" 属性を使って指定されます。 "family-name" 属性に、別名となる任意の名前を指定します。 新たに定義された名前は、存在する他の font-family名と一致しないようにする必要があります。 "weight" 属性はフォントの太さを指定し、"100"~"900" の 100単位の数値、または "normal" または "bold" を指定します。 "italic" 属性は斜体かどうかを、"true" または "false" で指定します。"true" ならば斜体です。 ひとつのフォントに対して複数の別名を定義できます。この要素はいくつでも指定できます。

FO中では、ここで指定された名前とスタイルを使って、<font-alias file> で指定されたフォントファイルを表示することができます。

<font-alias file="ARIALI.TTF">
  <alias family-name="MyArial"/>
</font-alias>
<font-alias file="ARIALBI.TTF">
  <alias family-name="MyArial" weight="bold"/>
</font-alias>

上の例では、 font-family="MyArial" font-weight="normal" という指定で、"ARIALI.TTF" が、 font-family="MyArial" font-weight="bold" という指定で、"ARIALBI.TTF" が、それぞれ表示されます。以下の点に注意してください。

  • もともとイタリックのフォントを指定しておいて、font-style="normal" を指定してもnormalにはなりません。
  • もともとボールドのフォントを指定しておいて、font-weight="normal" を指定しても細くなりませんし、font-weight="bold" を指定してもさらに太くなりません。

<alias> の指定では、<font-alias file> に指定されたファイルを名前とスタイルでもって選択して表示するだけです。例えば、font-style="italic" という指定のとき、スタイルにitalicを指定した <alias> がなければ、normalのものが採用されます。

weight normal
italic false
<eudc-processing> <font-config> の子要素 mapping enable

外字の処理方法を指定します。 "mapping" 属性が "enable" なら外字を処理し、 "disable" なら処理しません。

<eudc-range> <eudc-processing> の子要素 start

外字の範囲をUnicodeで指定します。

<eudc-range start="57344" end="63743"/>

指定は数値で行います。この例では、57344 = U+E000、63743 = U+F8FF です。 指定がない場合、Windows版でレジストリ参照が有効なときは、レジストリの指定に従います。 そうでないときは、PUA領域(U+E000~U+F8FF)とみなされます。 end を省略したときは、start と同じ値とみなされます。また、複数の範囲を指定することができます。

end
<eudc-system-default> <eudc-processing> の子要素 file-path

システムデフォルトの外字フォントファイルを指定します。これは、対応するグリフが指定外字フォントにない場合などに利用されます。 指定がない場合、Windows版でレジストリ参照が有効なときは、レジストリの指定に従います。このとき、コードページ932を参照します。 そうでないときは、システムデフォルトの外字フォントなしとなります。

<eudc-map> <eudc-processing> の子要素 family-name

"family-name" 属性で指定されているフォントに対して、外字範囲の文字コードが指定されたときに使用する外字ファイルを "file-path" 属性で指定します。 Windows版でレジストリ参照が有効なときは、それも考慮されます。 同じ "font-family" の指定は、先に現れたものが優先し、フォント構築ファイルのものがレジストリよりも優先します。 この要素はいくつでも指定できます。

file-path

フォント構築ファイルのDTDは次のとおりです。

<!ELEMENT font-config (font-folder+, eudc-processing?)>
<!ATTLIST font-config otf-metrics-mode     (windows|typographic)  "typographic">
<!ATTLIST font-config use-preferred-family (true|false)           "true">
<!ATTLIST font-config windows-registry     (enable|disable)       "enable">

<!ELEMENT font-folder (font-entry | font-alias)*>
<!ATTLIST font-folder path CDATA #REQUIRED>
<!ATTLIST font-folder recursive (true|false) "false">

<!ELEMENT font-entry EMPTY>
<!ATTLIST font-entry file                   CDATA #REQUIRED>
<!ATTLIST font-entry glyph-list             CDATA #IMPLIED>
<!ATTLIST font-entry skip-glyphname-mapping (true|false) "false">
<!ATTLIST font-entry font-exclude           (true|false) "false">
<!ATTLIST font-entry unicode-range          CDATA "U+0-10FFFF">
<!ATTLIST font-entry font-size-adjust       CDATA "1.0">
<!ATTLIST font-entry baseline-adjust        CDATA "0.0">

<!ELEMENT font-alias (alias)*>
<!ATTLIST font-alias file  CDATA #REQUIRED>
<!ATTLIST font-alias entry CDATA #IMPLIED>

<!ELEMENT alias EMPTY>
<!ATTLIST alias family-name CDATA #REQUIRED>
<!ATTLIST alias weight (normal|bold|100|200|300|400|500|600|700|800|900) #IMPLIED>
<!ATTLIST alias italic (true|false) #IMPLIED>

<!ELEMENT eudc-processing (eudc-range?, eudc-system-default?, eudc-map*)>
<!ATTLIST eudc-processing mapping (enable|disable) #IMPLIED>

<!ELEMENT eudc-range EMPTY>
<!ATTLIST eudc-range start CDATA #REQUIRED>
<!ATTLIST eudc-range end   CDATA #REQUIRED>

<!ELEMENT eudc-system-default EMPTY>
<!ATTLIST eudc-system-default file-path CDATA #REQUIRED>

<!ELEMENT eudc-map EMPTY>
<!ATTLIST eudc-map family-name CDATA #REQUIRED>
<!ATTLIST eudc-map file-path   CDATA #REQUIRED>

Adobe Type1 フォント

ここでは、Adobe Type1 フォント の一般的な情報と、AH Formatter V6.5 が Adobe Type1 フォント にどのように対応しているかを記述します。

フォントの構成と必要条件

Adobe Type1 フォントは、以下のフォントファイルから成ります。

拡張子 説明
.PFB (Printer Font Binary) バイナリ圧縮されたフォントのアウトラインが含まれます。
.AFM (Adobe Font Metrics) 一般フォント情報と、フォントメトリクス情報を含むテキストファイルです。 主に、.AFM+.PFB のペアで UNIX で使用されます。
.PFM (Printer Font Metrics) 一般フォント情報と、フォントメトリクス情報が含まれます。 また、Windowsでのフォントメニューの名前となります。 バイナリフォーマットのファイルで、主に .PFM+.PFB のペアで Windowsで使用されます。

AH Formatter V6.5 は、.AFM+.PFB または .PFM+.PFBのどちらのタイプの組合わせにも対応しています。

以下は Type1 フォントに関する必要条件です。

  • 他にも、.PFAPrinter Font Ascii)という拡張子を持つアウトラインファイルが存在しますが、AH Formatter V6.5 はこのアウトラインファイルには正式には対応していません。 ほとんどの Type1 フォント製品が .PFB 形式で出荷されていますので、.PFB 形式のフォントファイルをお使いください。
  • 拡張子 .MMM を持つ Type1 フォントメトリクスデータには対応していません。 このメトリクスファイルは、Multiple Master Type1 フォントに使われています。
  • .PFB と対応する .PFM は、同一ディレクトリに存在していなければなりません。ATM(Adobe Type Manager)を使ってインストールされたフォントは異なるディレクトリにインストールされていることがあります。そのようなフォントは、AH Formatter V6.5 では埋め込みに利用することができません。

Adobe Type1 フォントの使用法

Adobe Type1 フォントを使用する場合は、font-familyfont-weightfont-style プロパティをFOに指定するだけです。 次のFOは fo:block に Helvetica を指定しています。

<fo:block font-family="Helvetica" font-weight="bold" font-style="italic">
  Helvetica (Bold-Italic) will be applied to this text.
</fo:block>

Adobe Type1 フォントの埋め込み

AH Formatter V6.5 は、PDFファイルへの Type1 フォントの埋め込みに対応しています。 フォントを埋め込むためには、以下を準備してください。

  • .AFM+.PFB、または .PFM+.PFB のフォントファイルをフォント構築ファイルの <font-folder> で指定されているフォルダに準備してください。
  • オプション設定ファイル<embed-font> 要素に埋め込むフォントファミリ名を指定します。または <pdf-settings embed-all-fonts="true"> を指定します。

フォントを埋め込まない場合は、.AFM または .PFM ファイルのどちらかが必要です。 フォントが埋め込まれていないPDFファイルを読むには、ユーザの環境に実際にPDFに使用されているフォントがインストールされている必要があります。

欧文基本14フォント

非Windows版では、以下の Adobe Type1 フォントがインストールされます。

  • Courier.afm
  • Courier-Bold.afm
  • Courier-Oblique.afm
  • Courier-BoldOblique.afm
  • Helvetica.afm
  • Helvetica-Bold.afm
  • Helvetica-Oblique.afm
  • Helvetica-BoldOblique.afm
  • Times-Roman.afm
  • Times-Bold.afm
  • Times-Italic.afm
  • Times-BoldItalic.afm
  • Symbol.afm
  • ZapfDingbats.afm

これらには、.PFB は含まれていませんので、PDFへの埋め込みをすることはできません。また、ご利用に際しては、同梱されている MustRead.html をお読みください。

これらのフォントは、PDF core font information からダウンロードすることができます。

TrueType フォントOpenType(TrueTypeアウトライン)フォント

ここでは、TrueType フォントOpenType(TrueTypeアウトライン)フォント の一般情報と、AH Formatter V6.5 がどのようにそれらを取り扱っているのかを説明します。お使いの環境で、より便利にこれらのフォントをお使い頂くヒントを示します。

フォントの構成と必要条件

TrueType フォントは、Apple Computer によって開発され、Windows環境で使われています。OpenType フォントは、プラットフォーム非依存のフォントとして Adobe と Microsoft により共同開発されました。 もともと OpenType フォントは、2種類の性質を持っています。 ひとつは、TrueTypeアウトライン であり、もうひとつは PostScriptアウトライン です。TrueTypeアウトライン を持つ OpenType フォントファイルは、拡張子 .TTF または .TTC のファイルを持ちます。PostScriptアウトライン を持つ OpenType フォントファイルの拡張子は .OTF です。 ここでは、元々の TrueType フォントと OpenType(TrueTypeアウトライン)フォントを一緒に説明します。 以降では、TrueType フォントOpenType(TrueTypeアウトライン)フォント をあわせて、TrueType フォント として記述します。

Macintosh TrueType フォントデータフォークスーツケースも TrueType フォントで、拡張子は .dfont または .dfon です。.TTF といくらか違いはありますが、TrueType の扱いはほとんど同じですので、解説は割愛します。

TrueType フォントは、拡張子 .TTF または .TTC の単一ファイルで構成されています。 .TTCTrueType Collection の短縮形で、単一ファイル内に複数の TrueType フォントを含みます。 CJKフォントで使われることがあります。

以下は、TrueType フォントの必要条件です。

  • Unicodeをグリフインデクスにマップするための cmap table が必要です。ほとんどの TrueType フォントはそれを持っています。
  • 古い TrueType フォントの中には、OS/2 table にコードページ情報を持っていないフォントがあります(ulCodePageRange1, 2)。 これは、AH Formatter V6.5 がフォントの選択を行う際に影響を与えますので、このような古い TrueType フォントはお使いいただかないことをお勧めいたします。
cmap table など、TrueType フォントの詳細については、以下のようなサイトを参照してください。

TrueType フォントの使用法

TrueType フォントを使用するには、.TTF.TTC)ファイルを、フォント構築ファイルの <font-folder> 要素で指定したディレクトリに置き、FOの中で、使用したいフォントを font-family に指定します。

<fo:block font-family="Arial" font-weight="bold" font-style="italic">
  If you install arialbi.ttf file,
  TrueType Arial (Bold-Italic) will be applied to this text.
</fo:block>

TrueType フォントの埋め込み

AH Formatter V6.5 は、Type1 フォントと同様に TrueType フォントをPDFファイルへ埋め込むことができますが、大きな違いとして、埋め込みライセンスがあります。TrueType フォントは、OS/2 tablefsType 項目に、ライセンス情報を持っています。AH Formatter V6.5 はこのライセンス情報を考慮し、埋め込み禁止フォントを埋め込もうとした場合はエラーとします。
なお、TrueType フォントは、使用されているグリフだけが埋め込まれます。

PDFリファレンス」では、あらゆるビューアアプリケーションが期待どおりの正しい表示をするためには、TrueType フォントを埋め込むように推奨しています。 TrueType フォントが埋め込まれていないPDFを Adobe Acrobat または Reader が処理する際、特定のUnicode文字とフォントの組み合わせによっては、エラーが表示される場合があるからです。

OpenType(PostScriptアウトライン)フォント

ここでは、OpenType(PostScriptアウトライン) フォントの一般情報と AH Formatter V6.5 がどのようにそれらを取り扱っているのかを説明します。お使いの環境で、より便利にこれらのフォントをお使い頂くヒントを示します。

フォントの構成と必要条件

OpenType(PostScriptアウトライン)は、フォントの構成と必要条件 に記述されている OpenType フォントの1種類です。 OpenType(PostScriptアウトライン)フォントは、拡張子が .OTF で、単一のファイルから構成されます。また、OpenType(PostScriptアウトライン)は、ふたつのカテゴリに分類されます。 ひとつは、OpenType(PostScript)CID フォントであり、もうひとつは、OpenType(PostScript)non-CID フォントです。以下でこれらのカテゴリを簡単に説明します。

TypeContentsTreatment in PDF
Non-CID フォント 主に Latin文字のグリフを含み、グリフは、グリフ名を使ってインデクスされます。これは、Type1 フォントと同様です。 Type1
CID フォント主に CJK ideograph グリフを含み、グリフは、CIDを用いてインデクスされます。 Type0 (CIDFontType0)

OpenType(PostScriptアウトライン)フォントの使用法

使い方、family-namefont-weightfont-style のマッピング規則は、TrueType フォントと同様です。 詳細は、フォントの構成と必要条件 を参照してください。

OpenType(PostScriptアウトライン)の中には、100の倍数でない font-weight 値を持つフォントがありますが、この場合、AH Formatter V6.5 は値を四捨五入します。

OpenType(PostScriptアウトライン)フォントの埋め込み

フォントの埋め込み条件は、TrueType フォントと同様です。詳細は、TrueType フォントの埋め込み を参照してください。

別名を使ったフォントファミリの統合

OpenType(PostScriptアウトライン)CID フォントの中には、フォントファイルごとにフォントファミリ名を定義しているフォントがあります。 もともとこれらのフォントは、同じフォントファミリに属し、異なる font-weight値を持ちます。

Font file Family-name Weight Italic
HeiseiKakuGoStd-W3.otf "Heisei Kaku Gothic Std W3" 300 Normal
HeiseiKakuGoStd-W5.otf "Heisei Kaku Gothic Std W5" 500 Normal
HeiseiKakuGoStd-W7.otf "Heisei Kaku Gothic Std W7" 700 Normal
HeiseiKakuGoStd-W9.otf "Heisei Kaku Gothic Std W9" 900 Normal

Windows環境において、同じフォントファミリ名に対して、3つを超えて weight値を持つことができない(Macintosh環境ではこのような組み合わせが可能です)ため、これらのフォントは、フォントファイルごとに異なるフォントファミリ名を持ちます。 これらのフォントを異なるフォントファミリ名で使用するのが不便な場合は、フォント構築ファイルに、以下のような別名定義を加えると、フォントファミリ名を統合することができます。

<font-config>
  <font-folder path="[Install directory]/fonts">
    <glyph-list file="ZapfDingbats.txt" afm="ZapfDingbats.afm"/>
  </font-folder>
  <font-folder path="/home/resource/fonts">
    <!-- Integrate the four OTF font's family name to
         "Heisei Kaku Gothic Std"-->
    <font-alias  file="HeiseiKakuGoStd-W3.otf">
      <alias family-name="Heisei Kaku Gothic Std" weight="300"/>
    </font-alias>
    <font-alias  file="HeiseiKakuGoStd-W5.otf">
      <alias family-name="Heisei Kaku Gothic Std" weight="500"/>
    </font-alias>
    <font-alias  file="HeiseiKakuGoStd-W7.otf">
      <alias family-name="Heisei Kaku Gothic Std" weight="700"/>
    </font-alias>
    <font-alias  file="HeiseiKakuGoStd-W9.otf">
      <alias family-name="Heisei Kaku Gothic Std" weight="900"/>
    </font-alias>
  </font-folder>
</font-config>

この別名定義されたフォントファミリ名を使用して、FOを以下のように作成することができます。

<fo:block font-family="Heisei Kaku Gothic Std" font-weight="300">
  "Heisei Kaku Gothic Std W3" will be applied to this text.
</fo:block>
<fo:block font-family="Heisei Kaku Gothic Std" font-weight="500">
  "Heisei Kaku Gothic Std W5" will be applied to this text.
</fo:block>
<fo:block font-family="Heisei Kaku Gothic Std" font-weight="700">
  "Heisei Kaku Gothic Std W7" will be applied to this text.
</fo:block>
<fo:block font-family="Heisei Kaku Gothic Std" font-weight="900">
  "Heisei Kaku Gothic Std W9" will be applied to this text.
</fo:block>

外字

AH Formatter V6.5 では、外字(EUDC: End User Defined Character)を利用することができます。

Windows版では、外字の情報をレジストリから取得するので、フォント構築ファイルに外字情報を作成する必要はありませんが、フォント構築ファイルに外字情報が記述されている場合はそれも考慮されます。 非Windows版では、外字を利用するためにはフォント構築ファイルに外字情報を作成しておく必要があります。

<font-config>
 <windows-registry reference="enable"/>
 <font-folder path="c:\Windows\Fonts"/>
 <eudc-processing mapping="enable">
  <eudc-range start="57344" end="63743"/>
  <eudc-system-default file-path="c:\Windows\Fonts\EUDC.TTE"/>
  <eudc-map family-name="MS 明朝" file-path="c:\Program Files\east\jinmei3\FEJPMIN.TTG"/>
  <eudc-map family-name="MS P明朝" file-path="c:\Program Files\east\jinmei3\FEJPMIN.TTG"/>
 </eudc-processing>
</font-config>

外字の利用は、利用者は意識する必要がありません。AH Formatter V6.5 は、文字コードによって、自動的にフォントの切り替えを行います。

制限事項

インド系OpenTypeフォントの仕様には、V1とV2とがあります。V2は2008年にMicrosoftから公開された仕様で、Windows Vista 以降に同梱されているフォントで対応しています。V1仕様とV2仕様の主な違いは以下のとおりです。

AH Formatter V6.5 は、V1仕様をベースにフォント処理が実装されています。 V2仕様しか持っていないフォントには対応していません。

AH Formatter V6.5 には、インド系のフォントについて、実装上の既知の問題がいくつか存在します。

以下は、AH Formatter V6.5 の問題ではありませんが、参考までに。